『ちむどんどん』賢三と房子に因縁の過去? とにかく“浅い”ニーニーも再登場

『ちむどんどん』房子と暢子の関係は?

 採用された鶴見の沖縄県人会の会長・平良三郎(片岡鶴太郎)に連れられてやってきたのは、沖縄料理屋「あまゆ」。「苦しいことのない世界」というその店の2階に、暢子は住まわせてもらうことになった。三郎が彼女の後見人となり、店主の金城順次(志ぃさー/藤木勇人)と娘のトミ(しるさ)のお世話になることが決まった暢子だが、三郎は彼女の家賃を安くするために勝手に店の手伝いをさせることを約束していた。ありがたいんだか、ありがたくないのだか……。しかし、彼の意図は店の手伝いをすることで、ここ、“リトル・オキナワ”の鶴見で暢子の顔を売ることだった。それに、料理屋で手伝いをすることはシェフを目指す暢子のためにもなるだろう。何より、比嘉家はニーニー・賢秀(竜星涼)のせいで再び借金地獄に陥ってしまったのだから、家賃が安くなって料理もできるなら一石二鳥なのかもしれない。

 その後、店内で突然取っ組み合いの喧嘩が勃発。それでも「その喧嘩買った!」と2人をすぐに沈め、座らせ、お互いの言い分を聞いて仲介役になる三郎。喧嘩の原因は男が組合の集会に顔を出さなかったことだとかで、「そりゃあお前が悪い」と叱るも、すぐに「この2人に上等の島焼酎を」と、酒を出して場を落ち着かせた。もはや三郎は、リトル沖縄のドン・コルレオーネじゃないか。

 彼がお得意の三味線を引けば、先ほどまで殺伐としていた店内も嘘だったかのように、みんな歌い踊る。暢子は再び、三郎に父の姿を重ねて彼を見つめていた。リトル・オキナワに住む人々にとっての“父親”である三郎が、やはり暢子にとっても父親代わりになっていくという暗示だろう。

 ようやく一息ついたと思うと、暢子はニーニーを探していたことを思い出す。それと同時に、店の外から聞き覚えのある声が。災厄、襲来。店に飛び込んできた賢秀は酔っ払っていて、その口ぶりから、日常的に飲み代を踏み倒しているような様子だった。ボクシングジムのお金を借りたまま、返さず行方をくらましたかと思えば、悪気なくまた人のお金で飲もうとするその魂胆。挙句の果てに、責める暢子に「だからよう、俺はボクシング向いてなかったわけ」と、言い訳をする。殴るのはいいけど、殴られるのは嫌だ。そんな甘い考えでボクサーになろうとしたのも浅いし、もうこれ、コルレオーネもとい三郎に締められるフラグではないだろうか。

 さて、一方で物語が大きく動く気配がするのは、レストランオーナーの房子。三郎からの紹介状を読んでいた彼女は、そこに「賢三の娘です」と書かれているのを読んで「まさかやー」と呟く。暢子たちが最初にレストランに訪れた時、すぐに彼女たちの言葉を「沖縄の人」とわかったことも含め、なんだか怪しいと思っていたが、いよいよ彼女が暢子を幼少期に引き取るはずだった東京の叔母に思えて仕方ない。その真相は、近い日に明かされるのか。

※高嶋政伸の「高」はハシゴダカが正式表記。

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる