『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』が示す、男女のボーダーレス化 山田涼介の変化に注目

『俺かわ』が示す、男女のボーダーレス化

 現在放送中の土曜ドラマ『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日系/以下『俺かわ』)も、折り返し地点に差し掛かってきたように思う。自分の見た目の良さから、人生イージーモードで過ごしてきた主人公の康介(山田涼介)が、ある日未来からやってきた“おっさん”の自分(古田新太)から忠告を受け、さまざまなことを見直していく本作。初回から、主演の山田だからこその説得力で“あざとかわいい”康介が、年齢というボーダーラインをきっかけに、徐々に周囲からのアテンションを失っていく。

 こういう「可愛いは賞味期限」的なことは、よく女性に対して言われてきたことだ。「女は若ければ若いほどいい」「若いことが可愛い」、いつの間にか女性側はそういった加齢に対してマイナスイメージな固定観念を浴びせられてきた。一方男性は「歳を重ねるほど良い」「一人前になる」というような肯定的なイメージの言葉が多い。それはおそらく会社などが年功序列であること、歳をとることで重要職につけるシステムに起因しているのではないだろうか。しかし、加齢による見た目の変化は男女ともに訪れる。そして今、精神的にミレニアル世代以降の男性はそのことに対して、女性と対して差異のない考えを持っているようにも感じるのだ。それが、この『俺かわ』のテーマの一つにもなっている。

 現在、男性の基礎化粧品は一般化し、品揃えも増えた。ミレニアル世代、そしてZ世代は多様性が社会に受け入れられていく過程を10代、20代の多感な時期に目の当たりしている。最初はLGBTQ+の男性がメイクをすることを理解する段階があったかのように思うが、それも今やとうの昔のこと。今は、別にセクシャルアイデンティティが何であれ、男性もスキンケアに気を遣ったり、好きな女の子とのデート前にメイクをしたりすることも不思議ではなくなった。もう「男たるもの」「女たるもの」という観念は、若い世代になればなるほどないのである。

 その男女というボーダーが薄れたことで、以前は“女性が抱えていた”と認識されてきた問題意識を男性も抱えている、という描写のドラマや映画が作られ始めてきたように感じる。それが遅いことなのか、もう少し早く取り上げられるべきだったのか。賛否はあるにせよ、私はそれが制作され、放送されること自体まずは評価したい。



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