長澤まさみが制作秘話を語る 『コンフィデンスマンJP 英雄編』コメンタリーレポート
映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』のBlu-ray&DVDが5月18日に発売。スペシャル・エディションの特典映像となるビジュアルコメンタリー収録が行われ、長澤まさみ、小日向文世、東出昌大、小手伸也、田中亮監督が参加した。
古沢良太のオリジナル脚本による『コンフィデンスマンJP』は、ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)のコンフィデンスマン(=信用詐欺師)3人が、欲望にまみれた人間たちから大金を騙しとる痛快エンターテインメントコメディ。劇場版シリーズ3作目となる『英雄編』では、世界遺産の都市・マルタ島を舞台に、「英雄」と謳われる伝説の詐欺師〈ツチノコ〉の称号をかけて3人が騙し合いの真剣勝負を繰り広げる。
「とにかく口を動かすこと」という長澤のアドバイスから始まったコメンタリー収録は、まるで楽屋での会話かのように和気あいあい。序盤に映る長澤のピアノ演奏シーンでは、「本当に弾いてるように見えるよね」という小日向に、「本当に弾いてます」と実際に演奏を行った長澤をフォローする東出と小手。それでも「(二人羽織のようにプロが)後ろから手を出してる?」と疑う小日向に、キャスト一同大爆笑するなどリラックスムードで収録を進めていく。
この日たびたび話題になったのは、コンフィデンスマンには欠かせない“かつら”について。七三分けのかつらをつけた小手を見た小日向が、「いいねぇ。全然わかんないね」と感嘆する一方で、長澤は「かつらっぽく見えないのが自慢なんですよ」とお気に入りのかつらを紹介。それを聞いた小日向は、「俺くらい毛がなくなると、全部かぶってるってわかるよね。だから今度は、薄いかつらをかぶってみようかな」と話して笑わせる。
また劇中のダー子が「私がダー子です」と名乗るシーンをきっかけに、キャストたちが5年前にはじめて役名を聞いた時の心境を告白。それぞれに思いを打ち明ける中、五十嵐役の小手からは「初期プロットでは五十嵐がリチャードという名前だったんですよ」と衝撃の秘話が。「国籍不明のイケメン詐欺師っていう設定があって、リチャードという役だった」と続けると、「……イケメン?」と首をかしげる長澤に、小手は「初期設定です!」と念押し。その後、田中監督によってリチャードと五十嵐の意外な関係性が明かされると、キャストからは驚きの声が上がった。
今作には、連続ドラマ第3話「美術商編」で描かれたキャラクターが数多く再登場することから、「今までやったキャラで、もう一回やりたいってあります?」と興味津々の東出。小日向は第5話「スーパードクター編」で扮した男前のモテモテキャラを挙げ、長澤はこれまでの役をやるのではなく、「オタクをやってダンス踊りたい」と声を弾ませる。さらに、第9話「スポーツ編」の卓球選手を挙げた東出に、「運動系ならCGでうまく見えるから、それもいいかも」と共感した。
続いて盛り上がったのは、とあるダー子の衣装がオーダーメイドだという話。「18作目くらいにまた使える」という小日向に、「18作目!? もうおばあさんだよ」と笑う長澤。さらに小日向が「ダー子は10作くらい楽勝だね。僕はたぶん……あれだな」と黙り込むと、長澤が「急にコメントしづらいのやめてよ!」と即座にツッコミを入れるなど、息の合ったトークを展開する。
そして、「この衣装がレンタルじゃないなら、スピンオフで五十嵐の部屋に飾れますね」という小手に「自分のことしか考えてない」とジョークを飛ばした長澤は、「五十嵐が主役でやったらいいんじゃない? そうだよ、それぞれ主役が代わるっていいんじゃない!?」と楽しげに次回作への構想を膨らませた。