『ちむどんどん』でヒロインの子ども時代を好演 朝ドラ3作目の“ベテラン”稲垣来泉の存在感
4月11日よりスタートしたNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』。沖縄の美しい海や青々しいさとうきび畑に目が覚め、吹き抜ける風を感じられるような心地がし、食卓を彩る美味しそうな料理たちに食欲も刺激される中、比嘉家の4兄妹が賑やかにそれらを食していく様子を朝から眺めるのは、なぜか気持ちがいい。
特に元気に走り回り、朗らかな声を響かせているのは、ヒロインの比嘉暢子。今、一番興味があるのは「美味しいもの」。興味があるものには猪突猛進な性格で、東京から来た和彦(田中奏生)を学校で見つけては、東京の美味しいものを聞いている。学校にあまり馴染めていない和彦が面食らっていてもお構いなしだ。大きな目をキラキラと輝かせながらモリモリとご飯を食べ、4兄妹の真ん中っ子らしい大胆さを見せる、そんな子ども時代の暢子を見事に演じているのが稲垣来泉だ。
稲垣は、これまで連続テレビ小説では『とと姉ちゃん』(2016年)、『スカーレット』(2019年)に出演。このほかにも数多くの話題作に出演した子役で、『この世界の片隅に』(2018年/TBS系)では主人公のすず(松本穂香)の義姉・径子(尾野真千子)の娘、晴美を演じた。すずとすぐに打ち解けて仲良くなった晴美のかわいさが記憶に残っている視聴者も多いだろう。その後、彼女を襲った悲劇も含めて、稲垣が演じた晴美のあどけない優しい笑顔が視聴者の心を離さなかったはずだ。
この投稿をInstagramで見る
さらに『TWO WEEKS』(2019年/カンテレ・フジテレビ系)では、殺人の濡れ衣を着せられた主人公・結城大地(三浦春馬)の白血病の娘・青柳はなを演じた。初めて出会う娘に動揺を隠せない結城とは対照的に、初対面の彼を父親だと信じて疑わずに笑顔で話しかけるはな。その無邪気さは暢子と通じるものがある。『TWO WEEKS』の時は約100人によるオーディションを経て選ばれており、その演技力は折り紙付きだ。『TWO WEEKS』の岡光寛子プロデューサーは当時の様子を「人懐っこさ、子供っぽい笑顔、だけど芝居になると卓越した演技力を持つ彼女は、現場でもみんなを虜にしています」と語っているが、現在の稲垣も、同じように中心的存在になっているであろうことが想像できる。(※1)