増田貴久が主張を畳み掛け、ぱたりと倒れる 『吉祥寺ルーザーズ』は謎いっぱいのドラマ

『吉祥寺ルーザーズ』は謎いっぱいのドラマ

 秋元康が企画・原作、増田貴久(NEWS)が主演を務めるドラマプレミア23『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京系)が4月11日よりスタートした。本作は、人生の負け組6人がひとつ屋根の下、シェアハウスで一緒に暮らす日々を描いたシチュエーションコメディ。物語の舞台は、東京・吉祥寺。なぜか安い家賃に、不可思議な募集方法、そして、謎の開かずの扉……。そんな、謎めいたシェアハウスで、性別も年齢も職業もバラバラのルーザーたちの奇妙な共同生活が始まる。

 東京・吉祥寺の一軒家に6人の男女が所在なさげに立っていた。「とりあえず、座りませんか」と気まずい沈黙を破ったのは安彦聡(増田貴久)。彼らはこれから一緒に住むというのに自己紹介するにも一苦労。秦幡多(片桐仁)は聡にやたらと絡んでくるし、最も若い望月舞(田島芽瑠)は「個人情報は渡したくない」と警戒心を剥き出しに。大庭桜(田中みな実)はそんな秦幡と望月になぜかモテアドバイスをする。最年長65歳の池上隆二(國村隼)や公務員の胡桃沢翠(濱田マリ)は穏やかで一見普通そうだが、何か別の顔もありそうで……?

 どうして”入居審査”に合格したかがわからないでいる6人の前にオーナーの代理人であるという男(皆川猿時)が現れる。男はシェアハウスのルールを説明するとともに、入居の条件に関して「より不幸な人が選ばれた。あなたがたは“負け組”なんです」ときっぱり告げる。だが、その男もお金で雇われただけで、詳しいことは知らないようで、すぐに姿を消してしまう。

 まだ信頼できない初対面のメンバーに、突然の“負け組”宣告。なんとも言い難い空気感に包まれる6人の中で聡は不穏な空気を少しでも和らげようと率先して動き出し、それに対してほかが文句を言ってもちょっとヘラヘラした笑顔を見せて乗り切ろうとする。ここで、聡演じる増田が、持ち味である優しくほんわかした雰囲気と笑顔が威力を発揮。ほかの5人にその“いい人そう”な様子が、胡散臭そうな目で見られていることもあわせて、こちらに聡が慣れない中奮闘していることが痛いほど伝わってくる。

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