仲間由紀恵、『ちむどんどん』母役は『ごくせん』ヤンクミの経験が生きる?

仲間由紀恵、『ちむどんどん』で放つ母性

 沖縄を舞台に繰り広げられる朝ドラ『ちむどんどん』(NHK総合)に、ヒロインの母親・優子役として、自身も沖縄出身の仲間由紀恵が出演中。その夫・賢三(大森南明)と共に見事に柔らかな空気感を醸し出し、四兄妹の成長を温かく見守る大らかで優しい肝っ玉母ちゃん役は既にハマり役だ。

 仲間は、『天うらら』『花子とアン』に続き本作が朝ドラ出演3作目となる。『花子とアン』では、ヒロイン・花子(吉高由里子)の親友で、波乱万丈な人生を歩む伯爵家の娘・蓮子役を好演した。

 本作で見せる母性溢れる母親役は、大人気シリーズ『ごくせん』(日本テレビ系)でのジャージにおさげ姿がトレードマークの熱血教師・ヤンクミ役にも通ずるところがあるかもしれない。不良揃いの生徒たちに真っ直ぐにぶつかっていくヤンクミの姿と、それを受けて生徒たちの間で起こる変化や成長が描かれた。思い返せば“熱血教師もの”を女性が演じ、ここまでのヒットを飛ばしたのは後にも先にも『ごくせん』だけではないだろうか。

 そもそも仲間といえば、『トリック』(テレビ朝日系)での自称天才マジシャン・山田奈緒子役がきっかけで人気に火が着いた。ここでいかんなく発揮された仲間のコメディエンヌとしての才に『トリック』ワールドに夢中にさせられた視聴者も多かったことだろう。自称天才物理学者の上田次郎(阿部寛)との奇天烈な掛け合いや小競り合いが何とも癖になり、中毒性を孕む。ただただ圧倒的美男美女の2人が、ここではどこからどう見ても風変わりでインチキだが、なぜか憎めない凸凹コンビを見事見せてくれた。ちなみに両作とも人気シリーズとなり、映画化もされている。仲間が見せてくれる隙やギャップの大きさはそっくりそのまま“面白味”に昇華され、演じる役柄を“愛すべき存在”に仕立てていく。

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