『カムカム』に本郷奏多が一皮むけて再登場 五十嵐とひなたの出会いと別れを振り返る

『カムカム』五十嵐とひなたの出会いと別れ

 8年間の交際期間の中で、どれだけ頑張って鍛錬しようが自分に“出番”が回ってこず焦りを抱えどこか腐っていってしまう五十嵐と、出会った頃から変わらず五十嵐の夢や可能性を信じ続け、なんとか映画村のV字回復に向けて奮闘するひなたの温度感の開きが。どちらが、誰が悪いということもない、その残酷な時間の流れがもたらした決定的に埋まらぬ溝が。

 それを五十嵐は「ひなたの放つ光が、俺には眩しすぎる」と別れ際に言った。他の誰でもない本人が自分に対して半信半疑になっている時に、そして自分の限界を見切ってしまった時に、変わらず期待を寄せてくれる誰かの存在はありがたいを通り越して苦しく重いものにもなり得るし、時として自分の情けなさをより際立たせてしまう。最愛の人に「夢の逃げ道に自分との結婚を使わないでほしい」と、そんな言葉を言わせてしまった自分のことが五十嵐は何より許せず惨めだったのだろう。しかもそんな卑怯なことをしても尚、ひなたは五十嵐のことを見損なうでもなく、変わらず自分のことを信じ続けてくれるのだ。それを手放しに喜び享受出来るだけの気力も自信も覚悟も、その時の五十嵐にはもう残っていなかったのだ。

 一度は自身の夢から目を背け、別の道を歩もうとした五十嵐がこの“ひなたの道”を見つけるまでに何を思い、どう過ごしてきたのだろうか。この再会は2人にとって“運命”なのだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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