森山良子、『カムカムエヴリバディ』出演は奇跡的な縁 実父とサッチモの繋がりを明かす

森山良子、『カムカム』出演は奇跡的な縁

 毎週月曜日から土曜日まで(土曜日は1週間の振り返り)放送されているNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。アニー・ヒラカワ役の森山良子よりコメントが寄せられた。

 本作は、昭和・平成・令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描く物語。京都・岡山・大阪を舞台に、時代を超えた愛すべきヒロインたちの日常に寄り添っていく。

 森山が演じるのは、ハリウッドのキャスティングディレクター、アニー・ヒラカワ。第102話では、ひなた(川栄李奈)とアニーの濃密なやり取りが描かれた。

 森山は本作の出演が決まった際、「ひと言では言い表せないような気持ち」だったと振り返る。

「ストーリーを伺った時に、なぜ私のところへ依頼をくださったのかしらと、本当に不思議でたまりませんでした。というのも、私の父(森山久)がジャズミュージシャンでトランペッターだったからです。そして、ルイ・アームストロングの大ファン! 父は日系2世で日本語より英語の方がずっと上手だったものですから、ルイ・アームストロングが日本に来るときに羽田まで自分の車を運転して迎えにいったんです。ただ、大好きなだけなのに(笑)。サッチモもすごく心を開いてくれて、父の車で宿泊するホテルに入り、いろんなおしゃべりをして……というエピソードを、私は小さいときからたくさん父から聞いてきました。サッチモが生きていた当時は差別がひどかったと思いますが、そんな中でも人に笑顔しか見せない人だったそうです。父はサッチモのことが大好きだったので、今回のことも天国で喜んでいると思います。そんな繋がりがあるルイ・アームストロングは、私にとっても子供の頃からとっても特別な人でした。出演が決まった時は、私もこの作品にえも言われぬご縁を感じて、なんとも言えない本当に胸が詰まるよ うな思いになりました」

ルイ・アームストロングと森山久さんの2ショット/撮影:ムッシュかまやつ

 アニーを演じる上で気をつけたポイントは、「感情過多になりすぎないこと」だったと森山は明かす。

「英語のセリフが多いですが、幼少期の経験が支えになっています。小学生くらいの時に、アメリカンポップスというかオールディーズが流行っていたんですが、音楽に合わせて歌っていると父に呼ばれて、8小節を1時間くらいかけて直されるんです(笑)。英語の発音も直されて、また電蓄(電気蓄音機)のあるところへ戻って歌い始めると、また呼ばれて直されて……。もう、鼻歌も歌えない状況でした(笑)。小さい時から「私は歌い手になる」と言っていたので、父も母も私がシンガーになるだろうということを察して直していたんでしょうね。そのころの父のダメ出しが、今こうして歌を歌うのに役立っていますが、アニーの英語のセリフを話すうえで 『言葉』としても役立っているのはすごくうれしいです」

 『カムカムエヴリバディ』のストーリー、ひなた役の川栄李奈については、「この壮大な 100年の物語は、それぞれの登場人物の細かい心情が丁寧に描かれていて、全部のセリフが人生や生き様、いろんなことにリンクしていくような感じです。もちろん計算されていると思うんですが、計算されているとは気づかないかもしれないような網目の中をくぐっていくセリフのやりとりというのが、本当にすばらしい。ただ立ち尽くして、唖然とするシーンがあったんですが、それだけで『おおお〜!』 と、感動して本当に涙が溢れてきたこともありました。私、家でも『エモーショナル良子』と呼ばれていて、なんでも『きゅっ』ときちゃう方なんです。ひなた役の川栄さんは、とても頑張り屋さんです。日本語も英語も膨大な量をあの体の中に全部インプットしてこの役に臨まれています。一方、私は3行ぐらい覚えるのに『うわああ〜! 覚えられない! 覚えられない!』と言っています(笑)。それくらいすさまじい努力をなさっていると思いますね」と賛辞を送った。

 最後に視聴者に向けて、「100年に渡る壮大な家族のドラマです。人それぞれのご家庭があると思いますが、いろいろな人、いろいろな出会い、ひとつひとつが全て大事なシーンであるし、すべてが大事な出会いであるし、生きているということは本当に毎日が大事なんだなと、本当にそういうふうに思う作品です。どうぞ最後までご覧ください!」とメッセージを送った。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマ情報」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる