『カムカムエヴリバディ』“文ちゃん”再登場! 想像を掻き立てるアニー・ヒラカワの存在も
『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)の金曜日は、非常に濃い内容の回が多い。先週の第97話ではNHKラジオ英語講座講師・平川唯一(さだまさし)とるい(深津絵里)の父・稔(松村北斗)が登場。そして、本日放送の第102話では“驚きの女神”アニー・ヒラカワ(森山良子)と元恋人の五十嵐文四郎(本郷奏多)がひなた(川栄李奈)の前に現れた。
五十嵐の登場は3月9日オンエアの第90話以来。「もう傷つけたくない。傷つきたくない」「ひなたの放つ光が、俺には眩しすぎる」という理由から五十嵐はひなたに別れを告げたのだった。役者を辞めて五十嵐が次に歩み出したのは、父が経営し兄が副社長を務める会社で働く道。……のはずだったが、10年近くの歳月を経て、五十嵐はハリウッド映画のアクション監督としてひなたの前に再び姿を見せることとなる。
その再会は2人の思い出の詰まった道場で。オーディションに先立ってハリウッド映画の監督がやって来ると聞けば誰もが外国人を想像するはずだ。ひなたも近づいてくる足音を聞き振り向きざまに「ハロー」と挨拶をするが、そこに立っていたのはまさかの五十嵐。呆気にとられるひなたに対して、五十嵐はどこか飄々とした笑みを浮かべている。もちろん、そこにひなたがまだいるはずという確信めいたものがあったからだ。この10年で五十嵐に何があったのかも気になるが、注目はこの2人がよりを戻すのかだ。ハリウッド映画のオーディションの開催を聞いて真っ先に五十嵐を思い出し、押入れから懐かしい風鈴を引っ張ってきたひなた。幼なじみの小夜子(新川優愛)も一恵(三浦透子)も家庭を持ち、「あとはひなちゃんだけ」なのも事実。揺れ動くひなたの心情に注目だ。
そして、ハリウッド映画のキャスティングディレクターとして条映太秦映画村にやって来たのが、アニー・ヒラカワ。タイトルバックに正式にクレジットされるのは第102話からになるが、第101話でのセリフ字幕に「アニー」と表示されていたこと、さらに「驚きの女神が来ていたことに、ひなたはまだ気づいていませんでした」というナレーションによって、Twitterでは「アニーは誰なのか」が話題の中心となっている。アニーがひなたへと去り際に告げる「英語の勉強、これからも続けてください。きっとあなたをどこか、思いもよらない場所まで連れて行ってくれますよ」は、かつてロバート(村雨辰剛)が安子(上白石萌音)に向けたセリフと同じ。アニーは今回、初めて日本にやって来たと話しているが、道場にある神棚を見上げる眼差し、何よりもひなたが英語をラジオ英会話で身につけたことを知り「まだ放送されてるの?」と驚きを見せる表情、ラストネームの“ヒラカワ”は、視聴者の想像を掻き立てる。
第22週で描かれるのは「2001-2003」。安子、るい、ひなたが三世代に渡って紡いできた100年のファミリーストーリーも、もうすぐ終わりを迎えようとしている。昨日行われた朝ドラ恒例の「バトンタッチセレモニー」にて、川栄李奈が明かしていた「驚くような怒涛の展開」(『カムカム』川栄李奈から『ちむどんどん』黒島結菜へ 朝ドラバトンタッチセレモニー)に『カムカム』は残り2週で向かっていく。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか
写真提供=NHK