『DCU』吉川晃司演じる成合は本当にテロリストなのか? 瀬能が知る15年前の真相
15年ぶりに成合(吉川晃司)が姿を見せた理由は何だったのか。新名(阿部寛)は成合がテロリストのスパイだったと考えており、西野(高橋光臣)や瑠璃(趣里)と真相を探る。一方、瀬能(横浜流星)は、いまだに父親がなぜ事件に巻き込まれたかを知らず、テロリストとのつながりを想像すらしない。それは新名があえて瀬能に真実を伏せているせいでもあるが、成合が現れたことで事態は動き出し、知られていなかったいくつかの事実が浮上した。
『DCU』(TBS系)第6話。水中の事件を捜査するDCUは、これまでに海や河川、湖沼を捜査してきた。それらと人工的に再現された自然は、若干様相を異にする。横浜港で上がった遺体の肺から、北極海のプランクトンが検出。一晩のうちに北極海から横浜港に流れ着くことは考えられず、その上さらに、南シナ海に生息するプランクトンも検出される。ありえない結果に頭を悩ませる隊員たち。しかし新名は、2種類のプランクトンが「一緒に存在する場所が一つだけある」と言う。
人工的に再現された海である水族館。はたして、被害者は水族館の水槽デザイナー高田和美(原田佳奈)だった。水槽リニューアルで北極海の水槽が南シナ海の水槽に変わっており、和美が殺されたのは同じ水槽の中と特定。疑わしいのは、和美の婚約者で魚サプライヤーの木見(加藤雅也)と水族館プロデューサーの根岸(明日海りお)だが、和美が殺された時間に水族館に人影はなく、誰が和美を殺したかについて決定的な証拠が欠けていた。
三角関係に隠された事件の真相。その背後にはロシア人の弁護士アンドレイ・エイフマンとテロリストの影があった。同様の構図は新名と真子(市川実日子)、成合の関係にも当てはまる。成合への思いを語る真子。「忘れてないのは確か」「遺体が上がってたら違ってたのかな」。遺体になって見つかった和美は、愛する人の手で命を奪われた。成合が生きていると知らない真子は、新名との現在を受け入れている。だが、もし成合が生きていると知ったら……。
いまだにはっきりしないのは、15年前、海上で新名と成合が交わした会話の内容だ。瀬能の断片的な記憶によれば、裏切ったのは新名で、新名は成合から鍵を奪うと成合を置き去りにした。サンチェス(フェルナンデス直行)のスマホに成合の画像があったことから、成合とテロリストのつながりが推察されるが、新名が語る事実と瀬能の記憶は食い違っていて、成合がテロリストであるという確証はまだない。もう一つ関係がありそうなのは、根岸と成合の関係である。根岸の電話の相手は成合で、成合の「川の流れは必ず海に出る」という言葉を根岸が口にしていたことから、成合と根岸が旧知の仲であり、根岸がアンドレイとつながっていることを前提に、成合も国際的な犯罪組織に関わっていると推測できる。