菅田将暉が大河ドラマに帰還 『鎌倉殿の13人』源義経として大泉洋との対決に期待
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の第7回「敵か、あるいは」のラストは、菅田将暉演じる源義経が兄・頼朝(大泉洋)の軍に加わることを決意。それまで京からやってきた義経を庇護し、養育してきた藤原秀衡(田中泯)が出立する義経を見送るシーンで、ほんの数秒だったにもかかわらず息をのむ美しさが強烈な印象を残した。大河ドラマファンならずとも、歴史上の人物の魂に触れるようなやりとりを見られるという贅沢な瞬間には心が震えるものだ。
主人公の北条義時を演じる小栗旬をはじめ、底知れぬ不思議な力を持つ源頼朝役の大泉洋など、魅力あふれるキャストが話題に上るなか、菅田将暉はどんな義経をこれから見せてくれるのか熱い視線が注がれている。何しろ彼の大河ドラマの初出演作は『おんな城主 直虎』(2017年)で、井伊直政を演じて物語にあるその先の希望を感じさせる豊かな余韻を残していた。
志高く、負けん気の強い若武者が勢いに乗り突っ走る姿は多くの人を魅了するが、それ以上に苦い経験を積んで成長していく人間味のある繊細な物語に心惹かれるものだ。
現在放送中のドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)では、主人公・久能整を演じている菅田将暉。漫画原作のドラマ化となるが、原作が伝えるメッセージやディテールを忠実に再現しながらも「文字」ではない「人の声」としてのセリフのニュアンス、繊細な表情がよりドラマチックな展開を期待させ、好評を得ている。『鎌倉殿の13人』で演じる行動的な義経とは正反対のタイプ、ときに周囲の人にうざがられながらも論理的に思ったことを伝える整役がハマっているからこそ、義経でどれだけ発散してくれるのかも見逃せない。