『カムカムエヴリバディ』ひなた編は『ちびまる子ちゃん』？　川栄李奈が彩る昭和の空気

　ほかにも『ちびまる子ちゃん』要素は随所に盛り込まれている。まる子とひなたが同時代を生きているから当然な部分もあるが、ドリフターズに山口百恵、ノストラダムスの大予言など、『ちびまる子ちゃん』に登場するエンタメが、セリフの端々で『カムカム』にも登場。そして、まる子の親友・たまちゃんを実写化したような小夜子（竹野谷咲／新川優愛）も。また、まる子はひなたほど時代劇に夢中だったわけではないが、祖父・友蔵との即興芝居などでは殺陣を披露してみたり、武士言葉になってみたりもしている。まる子にとっても時代劇を見ることは日常だったのだろう。

　設定の違いはありながらも、共通項の多いまる子とひなた。『ちびまる子ちゃん』は実写化もされている作品ではあるが、成長したひなたの姿に、“大人になったまる子のあったかもしれない姿”と想像してみるのも楽しいかもしれない。

　第17週は、やたらと突っかかってくる“敵役”五十嵐（本郷奏多）とひなたの関係にも変化が。安子、るいとは異なる恋をひなたはどう展開するのか。まだ定まっていない“本当にやりたいこと”がどう変化していくのか。そして、忘れてはならないのが本作の主題である「英語とラジオ」。堀之内制作統括は、「何気ない台詞もすべてが伏線になる」（参照：『カムカム』制作陣が語る安子とるいの繋がり　京都編では3世代の響き合いが見どころに）と語っていたが、果たしてひなたの時代激への愛とどう絡んでいくのだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合：午前8:00～8:15、（再放送）12:45～13:00
BSプレミアム・BS4K：7:30～7:45、（再放送）11:00 ～11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演：上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本：藤本有紀
制作統括：堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽：金子隆博
主題歌：AI「アルデバラン」
プロデューサー：葛西勇也・橋本果奈
演出：安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか　
写真提供＝NHK