『カムカムエヴリバディ』に松重豊が本格登場 “五郎さん”に続くはまり役の予感

松重豊、“五郎さん”に続くはまり役の予感

 ひなた(川栄李奈)編が遂に幕開けした『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)。第16週では伴虚無蔵(松重豊)が重要人物として存在感を強めていくようだ。

 伴虚無蔵は日本の時代劇を支えてきた大部屋俳優で、殺陣は一流、斬られ役として一目置かれている。確かに、るい(深津絵里)の大阪編の頃から『棗黍之丞』シリーズでモモケンこと桃山剣之介(尾上菊之助)に斬られる長身で細身の男性が一瞬映り込み、それが松重豊であることがわかると、あまりに贅沢な配役に視聴者からは歓喜と驚きの声が上がっていた。

 そこから、劇中の映画ポスターに伴虚無蔵という名前入りで再登場。映画館館主の西山太(笑福亭笑瓶)は「条映の秘蔵っ子」と紹介していたが、なるほど「ミス条映コンテスト」に出場しようとするひなたと彼はここで繋がるのだろう。

 斬られ役としてキャリアを極めた伴虚無蔵は、名バイプレイヤーと名高い松重自身ともどこか重なる。松重は本作が『ちりとてちん』(NHK総合)に続き、朝ドラ出演2作目だ。『ちりとてちん』は本作同様に藤本有紀脚本で、松重はヒロイン・喜代美(貫地谷しほり)の職人気質な父親役を好演した。

 松重は貫禄がありそうで、なんだかどこか優柔不断なところがある憎めないキャラクターを演じることが多い。そして、普段は上層部と部下の狭間で板挟みになりながら哀愁も漂わせつつ、自身の仕事の矜持を持ってしてここぞという時に“言うことは言う”、そんな役どころで彼が演じるキャラクターに痺れさせられることも多い。『アンナチュラル』(TBS系)では、部下たちに振り回される少し頼りないUDIラボ所長・神倉役を熱演し、要所要所で飛び出す名言が光った。『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK総合)での大学総長・三芳役は、広報マン・神崎(松坂桃李)に次ぐ第二の主人公かのような存在感だった。

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