『半妖の夜叉姫』舞台は戦国から令和へ 細谷佳正が引き出す麒麟丸/希林理の意外な一面
TVアニメ『犬夜叉』シリーズのスタッフが手掛ける新たな戦国御伽草子『半妖の夜叉姫 弐の章』(読売テレビ・日本テレビ系)。主人公であるとわ、せつな、もろはの活躍する舞台が先週放送された第43話より戦国から令和の時代に変わり、あるキャラクターが視聴者の注目を集めている。
第2期となる弐の章において、最大の敵となるのは獣王・麒麟丸。西の地を治めていた犬夜叉の父・犬の大将に対し、東の地を支配してきた大妖怪だ。四魂の玉から「麒麟丸を滅ぼすのは人間でも妖怪でもない存在」と予言されたことから、それが殺生丸や犬夜叉の娘である三姫ではないかと疑っている。しかし、“弱い者とは戦わない”という信念により、これまであまり積極的に彼女たちを襲うことはなかった。
むしろ、麒麟丸よりも半妖を憎んでいたのは姉である是露の方。壱の章と弐の章の第1クールまでは、弟に代わり是露があらゆる手でとわたちの命を奪おうとしていた。恋い慕っていた犬の大将を守れなかったという後悔から憎しみに染まり、やり場のない怒りを犬の大将から寵愛された十六夜のような“妖怪ならざる存在”へと向けていた是露。だが、せつなが因縁を持つ者の“縁の糸”を切る「所縁の断ち切り」で彼女の無念を晴らしたことにより、是露は穏やかな最期を迎えることができた。こうして是露との戦いに決着をつけたとわたちの前に、今度は麒麟丸が立ちはだかることになる。
鍵となるのは、物語の序盤で時代樹の精霊がとわたちに告げた「麒麟丸は時空を歪め、この世を末法末世で飲み込み全てを無に帰そうとしている」という言葉。それは戦国時代が消滅することを意味しており、なぜ麒麟丸がそのようなことを望んでいるかはずっと謎に包まれたままだった。しかし、第39話において麒麟丸の本当の目的が判明。実は500年後にあたる令和の時代に妖霊星の本体が近づいていることを知った麒麟丸は、妖怪の餌となって滅びゆく人々を救うことで、この世界で妖怪からも人間からも恐れ奉られる最強の存在になろうとしていたのだ。
そんな麒麟丸の野望を阻止すべく、自分たちの手で妖霊星を破壊することを決意したとわたちは、令和の時代にタイムスリップする。そこで重要な人物となってくるのが、とわが通っていた「聖ガブリエル学園」の先生・希林理。彼の正体はかつて犬の大将との戦いで切り落とされ、骨喰いの井戸を通り時空を超えてきた麒麟丸の右腕であることが明らかに。もともと麒麟丸の角だった理玖と同じように、彼が見聞きしたものは全て麒麟丸に共有されるため、麒麟丸は現代に妖霊星が近づいていることを知り得たのだ。