『カムカムエヴリバディ』ひなたが侍好きになった理由 大月家はるいが選んだ幸せの形
ひなたの侍好きは、そんな親子3人の暮らしで育まれた。錠一郎の膝に乗って観た時代劇。吉之丞(石坂大志)にからかわれ、泣きべそをかいて帰ってくるたび、テレビの侍たちの活躍に勇気づけられた。「私が観てきた侍は、みんな強くて優しくて、絶対に泣いたりしいひん。弱音なんか吐かへん」。幼くして侍の魂を胸に刻んだひなただったが、変なところまで侍に似てしまったのか、宿題を「手伝おか」という小夜子(竹野谷咲)や一恵(清水美怜)の申し出も「見返りは求めん」とあやうく断りかける。しかし、そこは女子の友情で乗りきって、かけがえのない絆を育む夏休みとなった。
家庭の幸福は千差万別だ。るいが選んだ幸せの形は、錠一郎やひなたと過ごす日々の中にあった。自分は働かないくせに、勉強しない娘をかばう錠一郎に「ずるいねん、ジョーさんは」と不満を述べながらも、るいは満ち足りた表情をしているように見えた。「僕は10歳のお父さん、るいは10歳のお母さん。一緒に大きくなってったらええねん」と錠一郎。ちゃんと親になれるだろうかと不安になる時、「そのままでいいんだよ」と頷いてくれる人がいること。早くから苦労を背負ってきたるいには、その尊さがわかるのだと思う。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか
写真提供=NHK