堀部圭亮、松原智恵子、おいでやす小田 『カムカムエヴリバディ』京都編で賑わう人々

『カムカム』京都編に現れた新たな人々

 NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』第13週で、るい(深津絵里)と錠一郎(オダギリジョー)の新しい生活が京都で始まった。京都編では、ベリーこと野田一子(市川実日子)が引き続き登場するが、京都で新たに出会った登場人物にも注目だ。

“ケチ兵衛”かと思いきや……堀部圭亮演じる赤螺吉右衛門

 安子編ではまだ幼かった吉右衛門だが、母・清子(松原智恵子)が「年々お父ちゃんに似てくるんやさかい」と言うように、父・吉兵衛そっくりに成長した。それもそのはず、堀部圭亮は安子編では吉兵衛を演じている。

 堀部演じる吉右衛門は、少し角のとれた吉兵衛といった風貌だ。

 “ケチ兵衛”こと吉兵衛は偏屈でケチくさい性格で、ことあるごとにカッカする姿が印象に残っている。例えば第1回で、ラジオを算太(濱田岳)に盗まれた時には、どんなに金太(甲本雅裕)が頭を下げても「いいや! こらえん!」と一向に怒りが静まらなかった。

 一方で、吉右衛門の文句の言い方はややマイルド。錠一郎にテレビを買う気がないと分かると「買う気あらへんのか」と静かに不服を漏らした。頭に血がのぼるような怒り方はしない。とはいえ、錠一郎とチャンバラに興じて腰をいわした時には、るいがお詫びに差し出した回転焼きをつっぱね、「もう許されへん。あんたらにはこの商店街出てってもらう」と怒っていたが、その姿は父・吉兵衛を彷彿とさせるものだった。

 近所の子供たちから「ケチエモン」とからかわれるほど、ケチくささも父に似てしまった吉右衛門だが、堀部の演じ分けは目を見張るものがある。吉兵衛を演じていた時は、家族以外の人間を牽制するようなギョロリとした目つきだったが、吉右衛門の目つきは吉兵衛より柔和で、母・清子の優しく控えめな性格も引き継いでいるのだと感じる。SNS上では、清子を「おかあちゃん」と呼ぶ際のイントネーションが、幼少期の吉右衛門(石坂大志・中川聖一朗)と同じで、懐かしさを感じるという声もあがっていた。

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