キム・スヒョンが刑務所で変貌を遂げていく　『ある日～真実のベール』で漂う緊迫感

　キム・スヒョンーーその名前だけでドラマを観るという視聴者も少なくない。それだけ彼がこれまで数々の作品で「唯一無二」であることを確実に証明してきたからだ。

　『クリスマスに雪は降るの？』で青年時代を演じると、検索ランキング上位に名前が挙がり、『ドリームハイ』ではK-POPアイドルたちに引けを取らない歌声を披露。そして、今も伝説の史劇として語り継がれる『太陽を抱く月』では、最高視聴率46.1％を叩き出す大ヒットを記録し、彼は若い世代を代表するトップスターに駆け上がる。

　ファンタジーラブコメ『星から来たあなた』では、“冷静沈着な宇宙人”というユニークな役で演技賞を総なめ。そして除隊後復帰作となった『サイコだけど大丈夫』では、自閉スペクトラム症の兄のため自分の人生を後回しにし、その人生の重さから愛を信じられなくなった青年の心の内を繊細に表現した。

　一度ドラマに出演すると大ヒットする彼の最大の凄みは、いつも初めての出会いのような印象を視聴者に抱かせる、その“変身ぶり”だ。日本ではAmazon Prime Videoにて配信中の新作『ある日～真実のベール』で、彼はまた驚くべき大変身を遂げている。

　2008年にイギリスBBCにて放送された『クリミナル・ジャスティス（原題）』のリメイク作である本作は、一晩にして殺人容疑者になってしまったスヒョン演じる平凡な大学生と、チャ・スンウォン演じる三流弁護士が、冤罪を晴らすため司法制度に挑んでいく犯罪ドラマだ。

　スヒョン演じるキム・ヒョンスは、ある日偶然殺人事件に巻き込まれ刑務所に入ってしまう。「自分は殺していない」と何度も訴えるが、誰も聞いてくれない。絶望した彼は徐々に刑務所に順応していくかのように変貌を遂げていき、絶望と悲しさ、怒りを、涙と悲鳴、荒くなった呼吸だけで伝える。セリフがなくとも伝わってくるその緊迫感は、こちらまで息苦しさを覚えるほど。韓国の動画配信サービスCoupang Playオリジナルである本作は、1、2話公開直後、前週比新規加入者254%増加を記録する人気を誇った。※1 キム・スヒョンが再度証明しているその凄みと圧倒的存在感をぜひ本作で堪能してほしい。

※参考
1．https://star.mt.co.kr/stview.php?no=2021121909122994353

■配信情報
『ある日～真実のベール』
Amazon Prime Videoにて配信中
出演：キム・スヒョン、チャ・スンウォンほか
話数：全8話
(c)2021.Chorokbaem Media/The Studio M.all rights reserved