アニメ版にキメラは登場する? 大人を惹きつける『ちいかわ』のシビアな世界観
アニメ『ちいかわ』が今春から朝の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系)内で放送されることが発表され、話題となっている。
原作はイラストレーターのナガノが2020年からTwitterに投稿している1ページ漫画。“ちいかわ”の愛称で親しまれ、2021年には『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』のタイトルで単行本の1・2巻が講談社から刊行された。
臆病で泣き虫なちいかわと、その友人であるテンション高めのうさぎやしっかり者で優しいハチワレの3匹をメインに、なんか小さくてかわいいやつらの日常が描かれる本作。しかし、そこにはただゆるくて癒される世界が広がっていると思ったら大間違い。元々はナガノの「こういう風になってくらしたい」という願望が投影されていたはずなのに、ちいかわたちの世界には“労働”という概念が存在し、欲しいものを手に入れるためにやりたくない仕事でお金を稼いだり、時に理不尽な目に遭ったりと、あまりに私たちの現実とリンクするところがあるのだ。そんな愛くるしい絵柄とギャップのあるシビアな世界観が、主に大人の読者にウケて人気を得た。
今回のアニメ化にあたり、真っ先に注目されたのはちいかわたちの声。まだ正式にキャストは発表されていないが、『めざましテレビ』ではアニメの放送に先立って1月4日から「ちいかわ占い」がスタートし、ちいかわとうさぎの声を少しだけ聴くことができた。放送日には「ちいかわの声」がTwitterでトレンド入り。見た目のイメージに沿ったちいかわの可愛らしい声には賛否両論が巻き起こった。ただナガノ自身は「キャラクターたちの声についても、強い希望をかなえていただきました」とコメントを寄せており、映像化されることでより作者のイメージに近づいたちいかわたちの物語をまた新鮮な気持ちで楽しめるのではないだろうか。