『恋慕』ロスに捧ぐ! 『100日の郎君様』などおすすめ韓国ロマンス史劇3選
『王になった男』
イ・ビョンホン主演の大ヒット映画『王になった男』(2013年日本公開)をリメイクした本作。王と顔が瓜二つの道化師ハソン(ヨ・ジング)が、暗殺の危機に怯える王の影武者となり宮中で生活する。頻繁に起こる変乱や権力争いが繰り広げられる中、一度は宮廷を逃げ出すハソンだったが、その先で庶民がふみにじられる現実を知る。そして、次第に本当の王になって世界を変えたいと願うようになっていく。ドラマ版では光海君統治時代を舞台にしつつも、歴史的な背景に縛られない自由な史劇として成立させている。「偽物の王」と知りながらも、宮廷の人々がハソンの人間らしさに心を動かされていくさまが丁寧に描かれ、凛々しくなっていくハソンに、宮廷の人々が忠信を誓っていくさまには、目頭が熱くなるはずだ。
一方で王妃のソウン(イ・セヨン)との美しい愛からも目が離せない。ある日突然優しくなった王に戸惑いつつも、次第に惹かれていく王妃と、「偽物」であるが故に憧れに近い眼差しで見つめ続けるハソン。恋愛感情だけでなく、尊敬と信頼で結ばれていく2人は、人間愛に溢れている。
近年ロマンスメインの史劇が多い中、16話構成にも関わらず、政治模様や人間ドラマもしっかり描かれ、本格派も楽しめる構成になっているのが本作のポイントだ。
『ヴィンチェンツォ』の演出家による、宮中での照明の使い方や紅葉などの美しい風景、格調高いクラシック音楽など細部までこだわり抜いた演出。そして何より、正義感と人間味にあふれる道化師ハソンと、心の病から狂気にいたるイ・ホンという2役を、所作や表情に至るまで1人で完璧に演じ分けたヨ・ジングの演技は必見だ。
『100日の郎君様』
記憶喪失になったことから、完全無欠の冷徹世子から生活力ゼロの無能男子に転落した主人公イ・ユル(ド・ギョンス)と、婚期を逃したワケありヒロインのホンシム(ナム・ジヒョン)が夫婦として過ごす100日間を描いtvNを代表するロマンス史劇。
世子ユルは記憶喪失となっても、口調や態度は横柄なままで村の人たちに変人呼ばわりされ、妻の尻にしかれっぱなし。しかし、最初は無表情だった彼が、人情味ある庶民たちとの交流の中で、愛し愛されることを知り、人間味が加わっていく。コミカルな2人の掛け合いとラブロマンスが見どころだ。
初恋、記憶喪失、復讐、権力闘争などの要素をぎゅっと詰め込み、時代劇、ロマンスをベースに笑いと感動、アクション、サスペンスなど様々な要素が溶け合ったストーリーは、韓国ドラマ好きにはたまらないはず。