綾野剛イヤーが続く2020年代 ドラマに映画、トップギアで走り続けるその魅力と役者人生

2020~2021年は綾野剛イヤー?

 しかしそれは役を作り込む“メソッド演技”にガチガチに縛られた俳優ということではない。『楽園』(2019年)のメガホンを取った瀬々敬久監督は、少女誘拐事件の容疑者に扮した綾野について「自分なりの設計図を持ちながらも、現場では臨機応変な柔軟性を持つ役者」であるとコメントしているが、彼は演じるための事前準備は怠らないものの、撮影に入ればその場で湧き上がる感情を大切にする現場主義。

『楽園』(c)2019「楽園」製作委員会

 それは折に触れ語られてきたことでもあり、さらに破天荒な刑事に扮し『MIU404』(2020年)で、「現場で湧き出てくるものも大事ですし、湧き出るような努力を現場以外でしなきゃいけないし、それ以前の鍛錬も必要。ただ、それだけ準備していたとしてもいざ本番になったら予想外の展開になることもある」(番組公式サイトのインタビューより)と綾野本人が語っていたことからも伺い知れるのである。

 では改めて近年の快進撃を振り返ってみよう。

 昨年は2月に公開された『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督作『影裏』の主人公・今野秋一役に始まり、6月は『MIU404』で星野源とW主演、11月には北川景子と共演した主演作『『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』が公開された。

『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』(c)2020「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」製作委員会

 そして今年に入ってからは『アバランチ』でもタッグを組んでいる藤井道人監督作『ヤクザと家族 The Family』で主人公の山本賢治役を務め、4月の石原さとみとW主演したラブコメドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系)に続いて、現在秋ドラマ『キン肉マン THE LOST LEGEND』(主演:眞栄田郷敦、WOWOW)と『アバランチ』が好評放送中だ。

 『アバランチ』では、正義の名のもとに巨悪に鉄槌を下すアウトロー集団“アバランチ”のメンバーである羽生を演じている綾野。飄々としながらもその仮面の下に熱い想いを隠し持つ、元警視庁公安部所属の謎多き男だ。どうやら公安刑事5人殉職の爆破事件と因縁があるようなのだが、警視庁特別犯罪対策企画室の室長である山守美智代(木村佳乃)率いるアバランチは果たして敵対する内閣官房長官・大山健吾(渡部篤郎)を追い落とすことができるのか? 今後の展開に注目だ。

■放送情報
『アバランチ』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~22:54放送
出演:綾野剛、福士蒼汰、千葉雄大、高橋メアリージュン、田中要次、利重剛、堀田茜、渡部篤郎(特別出演)、木村佳乃ほか
監督:藤井道人、三宅喜重(カンテレ)、山口健人
音楽:堤裕介
主題歌:UVERworld(ソニー・ミュージックレーベルズ)
プロデュース:安藤和久(カンテレ)、岡光寛子(カンテレ)、笠置高弘(トライストーン・ピクチャーズ)、濵弘大(トライストーン・ピクチャーズ)
制作:カンテレ、トライストーン・ピクチャーズ
(c)カンテレ
公式Twitter:@avalanche_ktv
公式Instagram:@avalanche_ktv

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