ウエンツ瑛士が『日本沈没』で感じた“言葉の力” 「言った人の生き様が出る」

ウエンツ瑛士が『日本沈没』で感じた言葉の力

その人の生き様が宿る、言葉の力

――ウエンツさん自身が、「日本が沈没してしまうかもしれない」といった情報を耳にしたとき、どのような行動を取られると思いますか?

ウエンツ:多分、すぐには行動できないんじゃないかと思います。例えば、今この瞬間に僕のスマホにだけ「大地震が来る」という情報が入ったとしても、じゃあ仕事の途中で「帰ります」って言えないと思うんですよね。結局、人ってつながっているので、「1人だけ逃げます」とはなれないじゃないですか。そういう意味でも、みんなで同じ気持ちで行動することが大事なんじゃないかと。そのために必要な決断と、その難しさをこのドラマで体感することができると思います。やっぱり全員で動くためには、言葉の力が大きいなって。みんなが「どうしよう」「何を信じたらいいんだ」って迷っている状況の中で、ある人が放った一言でガラッと変わるもの。それは、ドラマだけじゃなく、現実でもそうだと思うんです。撮影が詰まってきたときに、小栗さんが座長として見せる言動に奮い立たされたり、松ケンの言葉で頑張ろうという気持ちにさせてもらったり……言葉には、言った人の生き様が出るものなんだなと感じています。

――ウエンツさんはイギリス留学を通じて“海外から見た日本”という視点も経験されたと思うんですが、 そのタイミングでこのドラマに触れたことで何か感じられたことはありますか?

ウエンツ:普段、責任の所在がハッキリしないなと感じることが多いですね。そういう意味では、このドラマで天海という人間が自分の判断、自分の責任で動いていく姿に勇気づけられるなと。もちろん天海自身にも迷いはあるし、誰にも「これが正解」というのはわからないですから相当の勇気も必要だと思います。でも、そういう人がいるから、物事が進んでいくんだなっていうのを、改めて痛感することができる作品ですね。

――これまでバラエティや舞台、ドラマとマルチにご活躍されてきましたが、テレビドラマならではのやりがいは?

ウエンツ: 演技のお仕事だと舞台のほうが多いので、舞台と比べて感じるのは同じシーンを何度も演じられないということ。だからこそ、瞬発力が重要だなと思います。舞台だと何百回何千回と稽古を重ねて創り上げていくのに対して、テレビドラマはリハーサルをしたらすぐ本番。自分としてはもう少し調整したかったとしても監督の「OK」が出れば、そのまま進んでいく緊張感があります。でも、そのドキドキ感があるからこそ生まれるお芝居も絶対にあるので、そこはテレビドラマならではのやりがいかなと思います。

――このコロナ禍は、多くの人が変化を求められたタイミングになったと思いますが、ウエンツさんの中では変わったと感じる出来事はありましたか?

ウエンツ:実はイギリスから帰ってなかなか家が見つからない状況になってしまい、実家に帰ることになったという大きな変化がありました。親がいて、兄弟がいて、祖父母がいて、親戚がいて……と、これまでになく「家族」というものを意識する時間になりました。17、8歳で実家を出て一人暮らしをして、とはいえ東京出身なのでいつでも会えるという距離感だったのですが、一緒に住むのと、数カ月に一度会うのとでは、やっぱり内面を見せ合う頻度が全く違っていて。親が僕に対して思っていることとか、逆に自分が親に対して思っていることとか、そういうのに気づけるタイミングになりました。それからコロナ禍によってエンタメ全体にも変化が訪れて、どんなときにも娯楽は必要だし、待っている人に届けなきゃいけないという気持ちも強く感じました。同時に、こういう危機に直面したときに対応できる実力を身につけていかないと、と身が引き締まったところもあります。大変な場面が続いていますが、変化をきっかけにいい気づきができたと思って、前に進んでいきたいですね。

――フレキシブルに自分自身をアップデートしていくことが求められる時代になっていますね。

ウエンツ:そうですね。今はスピード感を持って対応できた人が得をする世の中に感じますが、個人的には遅くてもいいと思うんです。「え、知らないの?」っていう言葉に焦ったり、「新しいことを取り入れなくちゃ」って追われるような気分になったりするかもしれませんが、じっくりと情報を吟味するからこそ良い判断ができることもありますし。そのバランスを大事にしながら、それぞれが納得をして生きていける、いい世の中になってほしいなと思います。

■放送情報
日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:小栗旬、松山ケンイチ、杏、ウエンツ瑛士、中村アン、高橋努、浜田学、河井青葉、六角慎司、山岸門人、竹井亮介、高野ゆらこ、与田祐希(乃木坂46)、國村隼、風吹ジュン、比嘉愛未、宮崎美子、吉田鋼太郎(特別出演)、杉本哲太、風間杜夫、石橋蓮司、仲村トオル、香川照之
原作:小松左京『日本沈没』
脚本:橋本裕志
プロデュース:東仲恵吾
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/nihon_chinbotsu_tbs/
公式Twitter:@NCkibou_tbs
公式Instagram:nckibou_tbs

▼ウエンツ瑛士 チェキプレゼント▼

ウエンツ瑛士のサイン入りチェキを2名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。

【応募方法】
リアルサウンド映画部の公式Twitterをフォロー&該当ツイートをRTしていただいた方の中からプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンド映画部の公式Twitterアカウント、もしくは公式InstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※複数のお申し込みが発覚した場合、ご応募は無効とさせていただく場合がございます。

<リアルサウンド映画部 公式Twitter>
https://twitter.com/realsound_m

<応募締切>
11月21日(日)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる