『ドクターX』エリート医師役で見せた驚愕の素顔 要潤、熱血隊長からスーパードクターへ

要潤が『ドクターX』で見せた魅力

 今年1月に俳優20周年を迎え、ますます存在感を増す実力派俳優・要潤。この夏を熱く彩った『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)では、ハイパーレスキュー隊隊長・千住幹生役を熱演したのも記憶に新しい。そんな彼がこの秋から2年ぶりの新シリーズ『ドクターX~外科医・大門未知子~』に主人公と敵対する外科医役として出演している。そこで今回は、再び注目されている要潤の魅力を振り返ってみたい。

 要潤は、2001年放送の特撮ドラマ『仮面ライダーアギト』(テレビ朝日系)の氷川誠/仮面ライダーG3役で俳優人生をスタート。スラっとした長身に甘いマスクでお茶の間の主婦たちのハートを鷲づかみし、瞬く間に人気を得た。今では特撮ヒーロー作品は“若手人気俳優への登竜門”といわれるが、平成仮面ライダーシリーズ第1弾『仮面ライダークウガ』(2000年・テレビ朝日系)のオダギリジョーに続く第二弾に出演した要が、イケメン特撮ヒーローブームの先駆け的存在であることは間違いないだろう。

 そしてこの役をきっかけに昼ドラマ『新・愛の嵐』(2002年・フジテレビ系)、NHK朝の連続テレビ小説『まんてん』(2003年)に抜擢された要は、その後も着実に出演作を重ねていく。演じた役柄はちょっぴりおとぼけの獣医学大生(『動物のお医者さん』2003年・テレビ朝日系)だったり、時空を超えるジャーナリスト(『タイムスクープハンター』2009年・NHK)だったり、龍馬と共に日本の海軍創設を目指す実在の人物(大河ドラマ『龍馬伝』2010年・NHK)だったりとバラエティに富んでいるが、それぞれ着地点の違うキャラクターの魅力を最大限に引き出しながら、一切の違和感なく成立させていることに驚く。

俳優の登竜門【仮面ライダーアギト】今だから話せる撮影秘話。

 その理由を窺い知ることのできるエピソードが、現在3.56万人が登録するYouTube公式チャンネル「要潤の楽屋ばなし」にあった。要は「俳優の登竜門【仮面ライダーアギト】今だから話せる撮影秘話。」の回で、氷川としてのセリフ回しが上手くいかず挫折を味わい、その後に自ら演技プランを立てて認められたことで、役者として大切なことをつかんだと語っている。その厳しくも貴重な経験が、幅広い役側を演じ分ける気概と表現力を培ってきたのだろう。

 こうしてイケメン俳優として多くのドラマに出演してきた要だが、近年ではその卓越した演技力にさらに磨きをかけ、二枚目でありながら個性が際立つキャラクターを体現している。

 2017年放送の『カンナさーん!』(TBS系)では、可愛い子供や妻がいながらも仕事で知り合った女性と浮気をしてしまい、離婚することになる鈴木礼役を演じた要。家族のバカンスに浮気相手を連れていったり、元妻・カンナ(渡辺直美)に臆面もなく「一緒に暮らそう」と願い出てみたりと、なかなかのゲス男ぶりを見せるのだが、なぜか憎めない母性愛をくすぐる優男ぶりは完璧だった。

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