『二月の勝者』黒木の“夜の顔”の正体が早くも判明 生徒に寄り添う教育法は大成功

『二月の勝者』黒木の寄り添う教育法が成功

 自宅では、母が花恋の帰りを待っていた。帰宅するなり、すぐに宿題にとりかかろうとする花恋に対し、ついに母は本音でぶつかる。ここにも、花恋のことを誰よりも「特別」に思っている人がいた。頑張っているのに、なぜ母は怒るのか、悲しむのかーー。幼い花恋は混乱し、泣きじゃくるが、すべては花恋が大切だからこそ。黒木の前では、ぽろぽろとこぼす程度に我慢した涙を、母の前ではこらえることができない。泣きながら母にしがみつく花恋の姿は、これまでの背伸びした彼女ではなく、年齢相応の少女に思えた。必要とされたい、認められたい、褒められたい、母を喜ばせたい。まだ幼い小学5年生の「当たり前」を受け入れてくれる一番の味方は、花恋のすぐそばにいた。

 そして桜花ゼミナールにも、花恋を待っている人が。講師、クラスメイト、みなが花恋に一目を置く環境。常に褒められ、「存在すること」を求められる桜花ゼミナールこそ花恋の居場所だった。ルトワックの環境は花恋に向かないと知りながら、止めるのではなく実際に経験させ、間違えそうになったタイミングで正しい方向へと導く。これが本来の、そして黒木流の「自主性を重んじた」教育だ。花恋には辛い方法だったかもしれないが「進む道は自分で決めさせる」というのは、第1話から一貫して描かれてきた黒木のやり方である。

 そして、黒木が沙良(住田萌乃)と向かった先ーー怪しげなドアを開くと、その向こうでは多くの人々が机に向かい、学習に励んでいた。年齢も性別も職業も関係なく、ただ皆が意欲的に学んでいる。塾とは異なるフラットな環境のなか、黒木も床に座り、優しく問題を解説。この「学び場」は、黒木にとってどういう場所なのだろう。黒木がルトワックを辞め、桜花ゼミナールにやってきた経緯も今後明かされるのだろうが、少なくとも花恋同様、ルトワックが黒木の居場所ではなかっただろうことは、少しずつ分かってきた。

■放送情報
『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:柳楽優弥、井上真央、加藤シゲアキ、池田鉄洋、瀧内公美、今井隆文、加治将樹、住田萌乃、岸部一徳ほか
原作:『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』高瀬志帆(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
脚本:成瀬活雄
音楽:小西康陽
主題歌: DISH//「沈丁花」(ソニー・ミュージックレコーズ)
テーマソング:NEWS 「未来へ」(Johnny’s Entertainment Record)
演出:鈴木勇馬ほか
プロデューサー:次屋尚、大塚英治(ケイファクトリー)
制作協力:ケイファクトリー
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/2gatsu/
公式Twitter:@2gatsu_ntv
公式Instagram:@2gatsu_ntv

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる