作間龍斗、「手に入らない」ミステリアスさを体現 『ひらいて』で照らした“たとえ”の影

『ひらいて』作間龍斗が照らした“たとえ”の影

 劇中では、作間の持ち前の高身長が光るシーンが多々あった。人気者な愛から好意を抱かれるが、愛とは対照的に寡黙で自分の世界を持ったたとえを演じる中で山田との身長差は、愛がたとえに積極的にアプローチをするものの、いつも「手に入らない」存在であることを顕著に表す良いスパイスとなった。その実、完璧なプロポーションに惚れ惚れしてしまうという側面も持つ。

 地味なはずのクラスメイト、愛だけが気付く特別なたとえの魅力。こうした“たとえ象”を体現するのが、作間の広い背中とすらりとした長身、そして美しい横顔だろう。作間が演じることで、たとえが愛にとってどのように“特別”な存在なのかが浮き彫りになる。そんなたとえが愛の顔に自身の顔を近付けるように屈むシーンでは、教室の暗がりとたとえのクールな表情が絡み合い、甘くほろ苦い想いが視聴者の心を突き刺す重要なシーンとなった。

 直木賞作家、森絵都の同名小説を原作にしたドラマ『DIVE!!』(テレビ東京系)、そして今回の『ひらいて』と文学作品への出演が続く作間。そのミステリアスで透明感のある佇まいはまさに文学の世界にもよく似合う。映画初出演ながら堂々とした姿を見せた作間は、今後も自らの個性を活かした役で多岐に渡り活躍してくれるだろう。

※高橋優斗の「高」はハシゴダカが正式表記。

■公開情報
『ひらいて』
全国公開中
出演:山田杏奈、作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、芋生悠、山本浩司、河井青葉、木下あかり、板谷由夏、田中美佐子、萩原聖人
監督・脚本:首藤凜
原作・綿矢りさ『ひらいて』(新潮社文庫刊)
制作プロダクション:テレビマンユニオン 
製作:「ひらいて」製作委員会 
配給:ショウゲート
(c)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
公式サイト:hiraite-movie.com 
公式Twitter:@hiraite_movie

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