山田杏奈×芋生悠、3度目の共演の“信頼感”で挑んだラブシーン 悩める高校生役に共感と疑問

山田杏奈×芋生悠『ひらいて』正反対の役作り

 ずっと片思いをしていた同じクラスの“たとえ”に、美雪という秘密の恋人の存在がいることを知った主人公・愛が、“好きな人の好きな人”である美雪に近づいていくーー。芥川賞作家・綿矢りさの同名小説を『なっちゃんはまだ新宿』『21世紀の女の子』の首藤凜監督が映画化した『ひらいて』は、そんな3人の三角関係を描く。

 成績もよくて明るく目立つタイプの愛を演じた山田杏奈と、病気がちで目立たない美雪を演じた芋生悠。愛と美雪が正反対の性格であるように、役作りや現場で感じたことも、2人で全く異なっていたという。今回が3度目の共演となった山田と芋生に話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

山田杏奈×芋生悠、映画『ひらいて』での正反対の役作りを語る 自身の高校生活や3度目の共演秘話も

山田「愛のことは最後まで分からなかった」

ーー愛と美雪、どちらの役柄もかなりの難役だったのではないかと思いました。

山田杏奈(以下、山田):私は最初に台本を読んだときに、「愛が分からない」となってしまって。監督にも早い段階で「ちょっと分からないんですけど……」とお話しさせていただいたり、撮影期間中もお芝居をしながら愛と戦ったような感覚でした。いつも自分自身が、演じる役の一番の理解者だったり共感者でいないといけないなと思うんですけど、今回は根本的な欲望や暴力性みたいなものが、たぶん自分自身も感じたことはあるだろうけれど、それをどう行動に移していくかが、自分と愛とでは違っていました。自分自身が体験したことがあるようなこともありましたが、それを愛としてどうやって吐き出していこうかをずっと考えながら撮影をしていました。

ーー“自分自身が体験したことがあるようなこと”は具体的にどういうことですか?

山田:“自分がよく思われたい”とか、“これを手に入れたい”というのは、誰しもが絶対に感じることだと思うんです。私自身ももちろんそういうことを感じたことはあるんですけど、いろいろ考えてしまって行動には移せなくて。なので、「それができてしまう愛ってなんなんだ」ってなってしまって……。そこが一番分からなかったところでしたし、最後まで分からなかったですね。

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芋生悠(以下、芋生):私は原作小説を読んで愛に共感していたので、逆に美雪のことが分からないというか、美雪みたいになりたいけどなれないタイプだったので、私に美雪が演じられるのかなと思っていて。でも撮影前に、だんだん自分が美雪に近づいていっている感覚があって、撮影の頃には美雪を自分自身の中に満たすことができました。それゆえに、人に愛を与えることができるたくましさや、自立した女の子のイメージを自分の中からも出せたのではないかなと思います。撮影中は頭の中が愛ちゃんのことでいっぱいだったんですけど、実際に美雪としてもそうだろうなと。愛情を注いで、どうやったら愛が迷わないで済むかを、ずっと探している感覚でした。

ーー芋生さんは今回オーディションで参加されたんですよね。

芋生:そうですね。オーディションのときは愛ちゃん寄りのマインドだったので、美雪がなかなか降りてこなくて。「大丈夫かな……落ちたろうな……」って思っていたら、監督に「芋生さんは美雪だと思ったので」と言っていただきました。監督にとっては、私と美雪の存在がリンクしていたらしいです。それを聞いて、信頼していただけているなら、自分も監督を信頼して撮影に挑めたらいいなと。「きっと美雪になれる」と思って頑張りました。

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ーー自身の高校生活とリンクするところや共感した部分はありましたか?

山田:どうですかね……。私自身、高校生のときは気持ち的に仕事の方に軸を置いていたので、彼女たちのように学生生活に対して必死になれていなかったんです。なので、演じながら「こんなに頑張ってたら苦しいだろうな」と思っていました。学校がすべてだったら、愛や美雪たちのようにぶつかり合ったりすることがあったかもしれませんが、私は経験したことがなかったので、自分の高校生を基準にしないで、もっと高校生活に必死なことを大前提にして演じていました。

芋生:私が愛ちゃんに共感しているのは、自分のことが嫌いで認められないがゆえに、人にぶつけてしまう部分があるところなんです。どうしようもなくて人に当たってしまうことが、私自身学生のときにあったなと……いろんな人に迷惑をかけたのを思い出します。それだと負のスパイラルに陥ってしまうというか、大事な人も失ってしまうし、自分のことをずっと愛せずにいられず辛くなってしまう。それが歳を重ねるうちに、そんなにできてなくて大丈夫とだんだん思えてくるし、その分ほかの人にも優しくなれる。なので、やっぱりそれは若さゆえな感じがするなと思いました。

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ーー愛とたとえ、美雪とたとえの関係性も重要ですが、やはりこの作品は愛と美雪の関係性が肝になっています。山田さんと芋生さんの空気感も素晴らしかったですが、今回が3度目の共演になるんですね。

山田:1回目にご一緒したときが……何年前だった? 私がたぶん16歳とかで……。

芋生:私が18歳か19歳かで。

山田:でもそのときから“お姉ちゃん”という感じでした。私の中では、喋り方とかもすごくお姉さんだなぁっていう印象がありました。

芋生:杏奈ちゃんは初めて共演したときからすごく気になっちゃうというか、撮影が終わっても「杏奈ちゃん元気かな?」と思うような(笑)。単純に好きですね。そのあともう一度共演したんですけど、そのときは同じシーンがなくて。

山田:そうそう。2回目はなかった。

芋生:それで打ち上げのときにやっと会えて、「同じシーン全然なかったね」って話をして。それで今回またがっつりお芝居ができるとなって、しかもその出会い方がめちゃくちゃよかったなと思います。愛と美雪は関係性もすごく特別で、言葉にはしなくても分かるものがあったりするのですが、それは相手が杏奈ちゃんだからこそできたんだなと思います。

ーー劇中には2人のラブシーンもありますが、そういう関係性があったからこそできた部分もあったのかもしれませんね。

山田:今回一緒にお芝居をするのもすごく楽しみでしたし、そういうシーンも信頼感というか、「絶対大丈夫」という気持ちがベースにあったので、そこは安心していました。

芋生:変な緊張感とかも全然なく、すごく自然にできたと思います。



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