『おかえりモネ』永浦家を訪れた菅波はどうなる!? 揺るぎない百音との関係性
菅波と百音は初めから「ニコイチ」だったわけではない。けれども「僕のことは離れていても大丈夫だと思ってるようです。わりと最初の頃から」と菅波が言うように、2人の間には無形の信頼があった。それは、百音が医師になった理由を菅波に聞いた時点ですでにあったと思う。そこから二人三脚で気象予報士になり、1300万分の2の奇跡で再会して、距離が2人を分かつように感じる瞬間もあったが、海と森がつながっているように菅波と百音はずっとパートナーでい続けた。
亜哉子に言った「百音さんが、これからの人生をともに生きるのは、僕のような人間が最適なんじゃないかと思います」は、一見、ドヤ顔の彼氏アピールに聞こえなくもないが、相手の立場に立って考える菅波らしい言葉だと思う。百音と同じ時間を共有する中で、菅波の中にあった他者に寄り添うことへの恐怖も消えていった。百音が未知(蒔田彩珠)や身近な人の幸せを素直に喜べるのも、自分の幸福を喜んでくれる菅波のような人間がいるからだ。誰かのために苦しんできた2人は、互いを必要としながらも、依存や支配とは無縁の「ニコイチ」だった。
第117話では、中村(平山祐介)に呼び出されて、急きょ菅波が東京に戻る場面も挿入された。呼吸器専門医の要請や「感染症なら人手がいる」などが示唆するのは、現在まで続くパンデミックの予兆。医療と気象、それぞれが命を守る仕事に従事し、離ればなれになっても菅波と百音の関係は揺るがない。そのことは2人が重ねてきた日々が証明している。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK