ケイシー・アフレックの演技はなぜリアリティがあるのか 本人と『Our Friend』監督に聞く

『アワー・フレンド』C・アフレックが語る

 ケイシー・アフレック、ダコタ・ジョンソン、ジェイソン・シーゲルらが共演した映画『Our Friend/アワー・フレンド』が10月15日より公開される。全米雑誌賞にも輝いたエッセーを映画化した本作では、余命宣告を受けた妻ニコルと彼女の夫マットが、親友デインの献身的な助けを得て、限られた時間をかけがえのない日々に変えていく模様が描かれる。リアルサウンド映画部では、マットを演じたケイシー・アフレックと、監督を務めたガブリエラ・カウパースウェイトにリモートインタビューを行い、作品の魅力や役作りの背景、レッド・ツェッペリンの楽曲についての秘話などを語ってもらった。

ケイシー・アフレック「リアルな人間を演じること面白味を感じる」

ガブリエラ・カウパースウェイト監督

――監督は原作となったマシュー・ティーグのエッセーを読んで、「これこそ自分が語るべき物語」と思ったそうですね。なぜそのように感じたのでしょうか?

ガブリエラ・カウパースウェイト(以下、カウパースウェイト):なかなか答えにくい質問で、正直、自分でもよくわからないんです。ただ、私が興味を持ったのは、映画ではジェイソン・シーゲルが演じている友人(デイン)の方でした。余命宣告された妻を看取らなければならない夫の悲しみだったり、子供を残して旅立たなければならない母親の辛さは、今までも本や映画で描かれてきたことではありますが、それを友人の視点から捉えるというのは、全く新しいアイデアだなと思いました。非常に辛い状況、トラウマが描かれている中で、彼らの揺るぎない固い友情というとても美しいものがこの物語にはある。そこにものすごく惹かれたんです。

ーーデインの視点が入っていることによって、映画も決してただのお涙頂戴的なものにはなっていないですよね。

カウパースウェイト:そうですね。どこか詩的で、ものすごく静かな光のような部分がこの物語にはあるなと思っていたので、それをぜひ捉えたいと思いました。実際、原作エッセーを書いたマシューが、友人がいたことの美しさに気付いたのは、妻の死去後、ずいぶん経ってからだったそうです。妻を失って、彼女について何かを書こうと思ったものの、うまく書けなかった。けれど、デインのことだったら書けたと。彼は、デインという友人がもたらしてくれた美しさに気づき、エッセーを書くことができたそうなんです。私はそこに惹かれたし、そのエッセーに見合った作品にしなければいけないと思っていました。

ーーそんな原作エッセーを脚本化したのは、先日のエミー賞でも話題になった『メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実』も高評価を得ているブラッド・イングルスビーです。ケイシー(・アフレック)は『ファーナス/訣別の朝』でもタッグを組んでいますよね。

ケイシー・アフレック(以下、ケイシー):ブラッドは、とてもユニークな才能を持った脚本家だと思います。映画化が実現しているものが多いけれど、僕は実現していない作品の脚本も読んだことがあるんです。どれも素晴らしい出来なだけではなく、少しずつ違っているところがとても好きですね。彼は、世界の中に没入していくタイプで、一回書いたキャラクターと同じようなキャラクターは書かない。人のことが大好きで、人間というものをもっと知ろうとするんです。そういうアプローチで作品を書いているから、毎回ちょっとずつ違う作品になっているのではないかなと。今回の作品もそうですよね。本当に最高で、僕も彼の大ファンです。

――今回あなたが演じたマットは、とてもリアリティのあるキャラクターでした。“リアリティのある演技”はあなたの真骨頂でもあると思うのですが、原作者をモデルにしたマットを演じる上でどのようなことを考えましたか?

アフレック:そう言っていただけて光栄です。実在の人物を演じるということで、まずはモデルとなったマシューをリスペクトしたかった。作品を一つの形にしていく作業は監督がすることだから、あとはギャビー(ガブリエラ・カウパースウェイト)の指示に従うことがメインでした。僕としては、とにかく観ていただく方がマットに興味を持ってもらえるように、親近感を持たせることが重要でした。

ーー『マンチェスター・バイ・ザ・シー』や『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』など、近年の作品で演じた役柄とも通じるようなキャラクターだと思いました。

アフレック:僕自身がもともと、スタイル化された、独特でユニークなキャラクターを演じることにあまり興味がないんです。リアルな人間を演じることのほうに面白味を感じるんですよね。ブラッドが書き上げて、ガブリエラが作り上げたキャラクターの“人間らしさ”を、僕が体現していく、ということです。だから僕からすれば、すでに合点のいくキャラクターだったわけなんです。



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