ケイシー・アフレックの演技はなぜリアリティがあるのか 本人と『Our Friend』監督に聞く
ギリギリまで諦めなかったレッド・ツェッペリンの楽曲使用
ーー監督はケイシーの演技や彼との作業を振り返っていかがですか?
カウパースウェイト:過去の仕事も本当に素晴らしいし、ケイシー本人もとても素敵ですが、今回感じたのは、“何か新しいことができるんじゃないか”と常に挑み続ける人だということ。なぜその手を止めないかというと、それはキャラクターのこと、ストーリーのこと、映画のことを大切に思っているから。一緒にバトルに挑んでくれて、他のキャラクターも大切にしてくれて、何物にも代えられない。監督としては、本当に“ギフト”のような存在ですね。
ケイシー:ありがとう。僕もギャビーとの仕事は最高でした。馬が合ったし、ものすごくやりやすかった。撮影現場に関しても、リラックスできて心地の良い、生産性の高いものにしてくれました。演出もアイデアも最高だったので、本当に素晴らしいコラボレーションでした。
――映画では、レッド・ツェッペリンの楽曲が重要な要素を担っていますね。出品が決まっていたトロント映画祭に作品を送らなければいけないリミットの3時間前に使用許諾が出たそうですが……。
カウパースウェイト:レッド・ツェッペリンの楽曲はすごく重要な要素でした。デイン(ジェイソン・シーゲル)とニコル(ダコタ・ジョンソン)がバンドについて語るシーンもあるし、ニコルが「ベストなバンドだ」と語るシーンもある。そもそもレッド・ツェッペリンが大好きで、人生の一曲を見つけた瞬間の特別さもありました。あと、ニコルのエッジーなところに関して、曲を使わずに伝わるのか不安なところがあったので、彼女のそういった一面を表現するために彼の楽曲を使いたかったんです。
ーーギリギリまで諦められないほど必要だったということですね。
カウパースウェイト:必要なサインはほとんど集まっていて、ほぼほぼOKだったのですが、ジミー・ペイジのサインだけなかったんです(笑)。ロバート・プラントがサインをしたあと、ジミーにサインをさせようとしていたんですが、なかなかジミーがつかまらなくて……。最終的に、製作総指揮のリドリー(・スコット)からロバートに、「ジミーをつかまえてサインをさせてください」と手紙を書いてもらってお願いしました。経緯がどうだったのか細かいことは私は分からないのですが、最終的には無事サインをもらうことができました。プロデューサーからは、「一応、使えなかった場合の“プランB”を考えておいてくれ」と言われもしたんですが、無責任ではありますがそれは考えられませんでした。それほど、作品のトーンにとって、「Ramble On」と「Going to California」の2曲は重要だったんです。
ケイシー:本当に大事でしたね。僕も、映画の中で使われている音楽も、レッド・ツェッペリンのことも大好きです。この作品の映像と音楽のコンビネーションはパーフェクトだと思います。
■公開情報
『Our Friend/アワー・フレンド』
10月15日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
出演:ケイシー・アフレック、ダコタ・ジョンソン、ジェイソン・シーゲル、チェリー・ジョーンズ、グウェンドリン・クリスティー
監督:ガブリエラ・カウパースウェイト
脚本:ブラッド・イングルスビー
原作:マシュー・ティーグ『The Friend: Love Is Not a Big Enough Word』
配給:STAR CHANNEL MOVIES
2019年/米/英語/126分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:Our Friend/字幕翻訳:神田直美/G
(c)BBP Friend, LLC - 2020
公式サイト:https://our-friend-movie.com/