『クーリエ』カンバーバッチのインタビュー映像公開 「この映画は希望のメッセージ」
9月23日より公開となった映画『クーリエ:最高機密の運び屋』より、主演のベネディクト・カンバーバッチのロングインタビューが公開された。
本作は、キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた知られざる実話を基に、核戦争回避のために命を懸けた男たちの葛藤と決断をスリリングに描いたスパイサスペンス。
1962年10月、アメリカとソ連、両大国の対立は頂点に達し、「キューバ危機」が勃発した。世界中を震撼させたこの危機に際し、戦争回避に決定的な役割を果たしたのは、実在した英国人セールスマン、グレヴィル・ウィンだった。スパイの経験など一切ないにも関わらず、CIA(アメリカ中央情報局)とMI6(英国秘密情報部)の依頼を受けてモスクワに飛んだウィンは、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)高官との接触を重ね、そこで得た機密情報を西側に運び続けるが……。
主人公グレヴィル・ウィンを演じるのは、『ドクター・ストレンジ』『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のカンバーバッチ。本作では製作総指揮も務めた。そのほか、『ブリッジ・オブ・スパイ』のメラーブ・ニニッゼ、『マーベラス・ミセス・メイゼル』のレイチェル・ブロズナハン、『ワイルド・ローズ』のジェシー・バックリーらが脇を固める。『追想』のドミニク・クックが監督を務めた。
カンバーバッチは、作品との出会いについて「話をくれたのはドミニク・クック監督だ。彼の『ホロウ・クラウン』でリチャード三世を演じてすっかり意気投合して友達になったんだ」と回想。トム・オコナーの脚本にも「とても感銘を受けた」という。役作りについては「可能な限り文献も読んだよ。当時の暮らしを知れる文献を中心にね。当時のソ連とイギリスの違いや気温を知ることでグレヴィルの肉体的、精神的な変化を理解したかった。グレヴィルの自伝にも目を通した。自伝にはリサーチ以上に興味深い発見があった」と熱のこもった準備をうかがわせている。それに加えて当時のニュース映像を参考に、グレヴィル・ウィンのウェールズ訛りの喋り方を意識したという。
ペンコフスキーを演じた旧ソ連出身のニニッゼについては「助けられた。すぐに打ち解けていい雰囲気で撮影できたし、昔と今のロシアについて教えてくれた。彼が推薦してくれた書籍はグレヴィルを理解する上でとても有益だった」と感謝の意を表す。
最後にカンバーバッチは、コロナウイルスに打ち勝とうとする人類の動きと本作に描かれるテーマには共通項があるとし、「コロナウイルスとの闘いはこの先もまだ続くと思う。回復力が試されている。人々はこれまでその驚くべき忍耐力と無私の心と勇敢さで自ら進んで立ち上がり行動を起こしてきた。グレヴィルも予期せず英雄になった。特別な能力のない彼が途方もないことを任されプレッシャーの中やり遂げた。ソ連で投獄されたがつらく残忍な経験を耐え抜いた。だからこの映画は希望のメッセージだ。人は誰でも困難を乗り越えることができる。どんなに無力で孤立していると感じても権利を奪われたと感じても戸惑い手に負えないと感じてもできることは必ずある。グレヴィルが並外れたことを成し遂げたようにね!」と語る。
カンバーバッチは劇場での検温を推奨しながら「映画館再開後初めて観る映画が本作だったらとてもうれしい」とコメントした。
■公開情報
『クーリエ:最高機密の運び屋』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
監督:ドミニク・クック
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、メラーブ・ニニッゼ、レイチェル・ブロズナハン、ジェシー・バックリー
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
2021年/イギリス・アメリカ合作/英語・ロシア語/カラー/スコープサイズ/5.1ch/112分/原題:The Courier/G
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