カンバーバッチ&ジョディ・フォスターが火花散らす 『モーリタニアン』新場面写真公開

『モーリタニアン』新場面写真公開

 10月29日より公開される映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』の新場面写真が公開された。

 2015年、アメリカ政府による検閲で多くが黒く塗りつぶされた手記が出版された。筆者のモハメドゥ・ウルド・スラヒはその時、キューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていた。異例尽くしのこの本は、またたく間にアメリカでベストセラーを記録し、その後、世界20か国で刊行された。本作は、その原作をもとに、『ラストキング・オブ・スコットランド』『消されたヘッドライン』のケヴィン・マクドナルドが監督を務め映画化したもの。

 2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)はアフリカのモーリタニア出身、モハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)の弁護を引き受ける。9.11の首謀者の1人として拘束されたが、裁判は一度も開かれていない。キューバのグアンタナモ収容所で地獄のような投獄生活を何年も送っていた。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。時を同じくして、テロへの“正義の鉄槌”を望む政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当する。真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まる。モハメドゥから届く手紙による“証言”の予測不能な展開に引き込まれていくナンシー。ところが、再三の開示請求でようやく政府から届いた機密書類には、愕然とする供述が記されていた。

 場面写真では、ジョディ・フォスターとベネディクト・カンバーバッチが初めて対峙するシーンを公開。9.11同時多発テロのテロリスト勧誘担当者と疑われるモハメドゥの代理人となり、グアンタナモ収容所での不当拘束を訴えるナンシー弁護士。一方のスチュアート中佐は9.11テロで友を失い、モハメドゥへの“正義の鉄槌”を望むアメリカ政府から起訴を厳命されている。法律家としての立場も信条も相反する二人が、美しいロケーションと柔らかな表情とは裏腹に、お互いの主張を言い合い、火花を散らす緊張感あふれるシーンになっている。

 フォスターとの初共演についてカンバーバッチは「彼女は信じられないほど素敵な人だ。愉快だし、一緒に仕事がしやすく、とにかく楽しい人なんだ。もちろん『今自分は、ジョディ・フォスターと共演してるんだ…』と一ファンとしての気持ちもあったよ。どうしたってそういう気持ちになってしまうよね。彼女の作品を見て育ってきたんだから。そんな人と共演することで、ものすごくいろいろなことを学べる。すごく頭が切れるし、常に、さりげなく演技を変えていた。嬉しくてたまらない勉強だったよ」と語っている。

 さらに、邦題のサブタイトルにも繋がる“黒塗りの記録”を写したスチールも公開。こ
れはアメリカ政府に対する開示請求によってナンシー弁護士のもとに届けられたモハメドゥの取り調べに関する機密書類だが、すべてのページにおいて文章が黒く塗りつぶされている。アメリカ政府はそこまでして一体何を隠したいのか。9.11同時多発テロから約20年、混乱と混迷をきたす当時のアメリカ政府が黒塗りにまでして秘めたかった不都合な真実とは。

■公開情報
『モーリタニアン 黒塗りの記録』
10月29日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバ―バッチ、タハール・ラヒム、シャイリーン・ウッドリー、ザッカリー・リーヴァイ
原作:モハメドゥ・ウルド・スラヒ『モーリタニアン 黒塗りの記録』(河出文庫)
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
2021年/イギリス/英語・アラビア語・フランス語/129分/ドルビーデジタル/カラー/スコープ/5.1ch/原題:The Mauritanian/G/字幕翻訳:櫻田美樹
(c)2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:kuronuri-movie.com
公式Twitter:https://twitter.com/kuronuri_kiroku

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