『海街チャチャチャ』ホン班長の謎に包まれた空白の5年間 第6話は親子がテーマに

『海街チャチャチャ』ホン班長の空白の5年間

 Netflixにて毎週最新話が配信中の『海街チャチャチャ』で、以前から夜中に目を覚まして薬を飲んだり、冷や汗をかいたりと、何かトラウマを抱えたような様子のホン・ドゥシク(ホン班長/キム・ソンホ)。ユン・ヘジン(シン・ミナ)にかつてコンジンを出たことがあるかと聞かれた時、あると言いつつも詳しく話さずに黙っていたが、第5話と第6話を通して徐々にホン班長の過去が明らかになってきた。

 酔って、ホン班長の家で一夜を過ごしてしまったヘジン。目が覚めると驚き、慌ててその場を後にしたものの、記憶が曖昧だった。ホン班長から昨夜の話を聞いても、ヘジンの酒癖の悪さを言うばかりだ。町の人が偶然、ヘジンがホン班長の家を出るところを目撃ししたことで、2人の噂が広まってしまう。ヘジンは念のため、「私のこと好き?」と尋ねるが、ホン班長はあっさりと否定。その態度に興奮したへジンは、自分とホン班長は社会的地位が違うと突き放してしまう。

 しかし、ホン班長は優秀でソウル大に進学した経歴を持つ。その一方で、彼が大学卒業後に空白の5年間ことが発覚した。家族のような存在である町の人たちも何をしていたかは知らない。北朝鮮のスパイだったとか、国家情報院の要員で身を隠してただとか、アフリカの動物保護団体で働いていただったりなどと噂はさまざまだ。

 ここで気になるのは、やはりホン班長の生き方だ。コンジンで生まれ育った彼は、幼い頃に両親を亡くし、他界してしまった祖父に育てられた。その頃から数学オリンピックで優勝するほどで優秀で、ソウル大への入学をきっかけにコンジンを離れた。ソウル大といえば、日本の東大と同じような位置づけであり、就職には困らないはず。にもかかわらず、定職に就かず、町でお節介ばかりしている。

 もちろん、歯科医になって都会で一度成功し、それなりに地位と経済力があるヘジンには理解できない。学んだことを活かすべきだと訴えかけたが、ホン班長は「お金や成功以外にも価値のあるものは多い」とヘジンの意見を一蹴。反対に、ホン班長が「人生は数学の公式じゃない。簡単には計算できないしそもそも正解がない」「問題をどう解くかは自分しだいだ」と結果的にヘジンを諭してしまうほどだ。ホン班長が、ここまで真剣に生き方について語るのは、謎に包まれた空白の5年間にあった出来事と血塗れの手に襲われるような悪夢に、何か隠されているのではないか。

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