初登場1位『シャン・チー』、金字塔『エンドゲーム』から2年半を経たMCU興行の現在地

『シャン・チー』にみるMCU興行の現在地

 先週末の動員ランキングは、マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)最新作『シャン・チー/テン・リングスの伝説』が土日2日間で動員14万人、興収2億1700万円をあげて初登場1位を獲得した。初日から3日間の累計は動員が19万6000人、興収が3億100万円。MCU作品が日本の週末動員ランキングで1位を記録するのは、2019年4月第5週の『アベンジャーズ/エンドゲーム』以来、実に約2年半ぶりのこと。

 『アベンジャーズ/エンドゲーム』の次作となった、2019年6月に公開されたソニー配給作品『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は当時ロングヒット中だったディズニーの『アラジン』に阻まれて初週も2位止まり。パンデミック期を挟んで、2021年7月に公開された『ブラック・ウィドウ』は、ディズニープラスでのプレミアアクセスでも翌日に有料配信されることで国内メジャー系列のシネコンから締め出され、限定された上映館のみでの公開となって初登場3位だった。

 本国での新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたことで(そう、いつだってすべてアメリカのディズニー本社の都合だ。日本は7月より現在の方が状況が悪化してるのに)、今回の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』からは晴れてディズニー作品も劇場のみでの初公開となり、国内の業界都合による観客不在の上映館の縛りからもようやく解放。『ブラック・ウィドウ』よりも100スクリーンほど多い359スクリーンでの公開となったわけだが、実はそこまで興収には違いがない。『ブラック・ウィドウ』はイレギュラーな木曜日公開だったので単純な比較はできないが、2億1700万円という『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の初週の週末興収は、『ブラック・ウィドウ』の同期間の2億1900万円とほぼ横並びの数字。デルタ株による新型コロナウイルスの感染再々々々拡大の影響がなければ、もう少し伸びたのかもしれないが。

 興味深いことに、この『ブラック・ウィドウ』と『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の成績の拮抗は、規模こそまったく違うもののアメリカでも同様の現象となっている。公開時期の感染状況(アメリカも都市によるが一進一退が続いている)、ディズニープラスでの展開(日本と同様に『ブラック・ウィドウ』はプレミアアクセスで配信、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は当面のところ配信なし)、上映スクリーン数(アメリカでは日本のような上映館の締め出しはおこなわれていない)など様々なパラメータが複雑に絡んでいるわけだが、『ブラック・ウィドウ』の週末オープニング記録は約8000万ドルで、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の記録を破ってパンデミック以降の最高記録を更新。『シャン・チー/テン・リングスの伝説』はそれに次ぐ約7100万ドルの週末オープニング記録となった。例年、観客動員が年間で最も落ち込むレイバー・デイ前の週末(その週末に公開されたということは、そこまで大きな期待はされてなかったということになる)としては過去最高の記録という大健闘をみせた。



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