初登場1位『シャン・チー』、金字塔『エンドゲーム』から2年半を経たMCU興行の現在地

『シャン・チー』にみるMCU興行の現在地

 『ブラック・ウィドウ』と『シャン・チー/テン・リングスの伝説』、この2作の結果からは二つのことが言える。一つは、ディズニープラスで毎週のようにテレビシリーズ版MCUの新エピソードが配信されるようになってからも、MCU映画への支持は磐石であるということ。もう一つは、とはいえ『ブラックパンサー』から『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』までの2018〜2019年に毎作のように社会現象を巻き起こしてきた時期と比べると、数字的にはかなり落ち着いてきたということ。ただ、公開スケジュールが押したこと以外はパンデミックの影響は最小限で、ディズニープラスが絶好調なことも含め、基本的にはディズニーの計画通りに進んでいると言えるだろう。

 最後に、今回の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』、日本のディズニーがサブタイトルを『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのように「テン・リングの伝説」にしなかったことに個人的にはとてもホッとしてる。これをきっかけに、複数形や三人称単数現在形の「s」の発音やカタカナ表記への反映を謎に忌避してきた外国映画の邦題の恥ずかしい悪習から、日本の映画界もようやく抜け出せるかもしれない。

■公開情報
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
全国公開中
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演:シム・リウ、トニー・レオン、オークワフィナ、ミシェル・ヨーほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2021

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