『おかえりモネ』百音を抱きしめる菅波の「あと1分」 幸せと寂しさを滲ませる表情も
お互いの気持ちが通じ合った百音(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)。百音を抱きしめる菅波の「あと1分」に笑顔を見せた百音だが、菅波がコインランドリーから立ち去ると切ない表情を浮かべた。NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』が第17週初日を迎え、お休みをもらった百音は、上京して初めて登米に顔を出す。
2016年(平成28年)12月24日、登米では森林組合の人々がソワソワして落ち着かない様子。百音と菅波のじれったい関係に長らくヤキモキしていた彼らにとって、二人の気持ちが通じ合ったことはとても喜ばしいことなのだ。「にやげんなっつう方が無理だべ! にやげさせろよ!」と言う川久保(でんでん)の嬉しそうな顔や、はしゃいだり冷やかしたりしないようにと諭しながらも自身がにやけてしまう翔洋(浜野謙太)、「あ〜やっとクリスマス来たなや!」と安堵しながら拍手するみよ子(大島蓉子)など、登米の人々が心から祝福する姿に、見ているこちらもつられて笑顔になってしまう。
菅波と二人きりで話す機会ができた百音は、菅波が3月いっぱいで東京の部屋を引き払うと聞くと寂しさを滲ませるが、その思いを飲み込んだように見えた。森林組合での勉強会を振り返る百音は「ここに来て、先生に勉強教えてもらえてなかったら今の私はないですね」と口にした。菅波は「案外自力でもなっていたんじゃないですか?」と返すが、百音は少し照れた様子で、でもはっきりと「先生がいなかったら絶対なれてないです」と伝えた。百音も菅波も、彼らだからこそ分かる言葉で思いを伝え合っている。沈黙の中でお互いに微笑みあう姿は愛おしい。また森林組合の人々の覗き見に気づいた菅波の「見せつけますか?」の一言に、首を横に振りながらも笑みがこぼれそうな百音の表情はとても幸せそうだった。ただ、サヤカ(夏木マリ)に言った「寂しいですよ、会えなくなるのは嫌です」も百音の本心だ。菅波の前で、寂しさを飲み込み続けてしまわないかが心配だ。
心配事といえば、莉子(今田美桜)のことも気がかりだ。莉子は気象コーナーの視聴率が芳しくないことに悩む。莉子は、ネットの書き込みを世間の声をして受け止めていた。「私には何が足りない?」と気落ちしていた莉子だが、百音から励まされ、必死に涙を堪えながら「朝岡さんなんか軽く超えてやる」と決意を新たにする強気な姿勢は実に魅力的だった。公式インタビューで、今田は、莉子について「いつもニコニコしているけれど、理想の自分になかなか近づけないことに葛藤している」ことや笑顔がチャームポイントだが「ときには強がって笑顔になることもある」と話している。
今田が莉子を演じる上で大切にしてきたことが強く実感できるシーンだった。高村(高岡早紀)や沢渡(玉置玲央)、野坂(森田望智)や内田(清水尋也)など、莉子を取り巻く人々のさまざまな視点や意見が、彼女が今味わっている悔しさを乗り越えるきっかけになることを願う。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK