高岡早紀、初の朝ドラで発揮する存在感 『おかえりモネ』百音にとってのキーパーソンに?

高岡早紀、初の朝ドラ出演で発揮する存在感

 東京編が始まった清原果耶主演のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』。新キャストが多数出演する中、初登場で強烈なインパクトを残した高岡早紀。意外にも朝ドラ初出演となった高岡が、こだわりが強い気象報道のリーダー役として、アクの強い演技を見せている。

 高岡早紀といえば、自身のエッセイのタイトルにもなるほど、“魔性の女”という言葉がピッタリくる女優。1994年の映画 『忠臣蔵外伝 四谷怪談』以降は、上品で落ち着いた大人の雰囲気漂う女優として活躍し、40代に入ってからも、映画『深夜食堂』での社長のおめかけ役や、映画『最低。』の元セクシー女優の母親、ドラマ『桜の塔』(テレビ朝日系)では元警官で銀座の高級クラブのママ役など、人生の酸いも甘いも知ったワケありの役が多く、自身の私生活のイメージとも重なり、生きることに対しどこか達観しているようで、なにか見透かされているような女性の怖さと懐の深さを演じるのが上手い。最近では、その魔性のイメージをデフォルメ化した、ドラマ『リカ』(東海テレビ・フジテレビ系)で演じた雨宮リカ役での狂気の純愛モンスターぶりが話題となり、今年の映画版『リカ』では空を飛ぶまでに進化。今や自分の個性として楽しみ、女優としてもさらに面白い存在となっている。そしてこのタイミングで出演した作品が『おかえりモネ』だ。

 高岡演じる高村沙都子は、テレビ局の社会部気象班デスクで、百音がスタッフを務める報道番組の責任者。正確な情報を厳選して慎重に伝えるという報道スタンスに強いこだわりがあり、気象情報をときに踏み込んで伝えようとする朝岡(西島秀俊)と対立することもある、という役柄だ。

 制作陣を束ねるキャラクターということは、説得力と決断力のある魅力的な人物であるということ。そんな役柄に、一瞬でカリスマ性が伝わる高岡の存在感はぴったりだ。当初は黄砂のニュースを報道する予定が、仙台周辺の強風が気になる内田衛(清水尋也)の意見により内容を変更しようと提案する朝岡に対し、高村は、地域が限定的で不確定なものより、広範囲に影響を及ぼす黄砂の方が視聴者が知りたい情報だと、強い口調で言い返す。西島とのやり取りは、まるで妻が夫を問い詰めるように、正論で有無を言わさない迫力がある。最近の『リカ』での活躍で、怖さやユーモラスさのイメージを高岡に持つ視聴者も多く、高村役のキャラに入りやすいのも大きい。

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