『ナイト・ドクター』は岸優太が中心の成長物語? 北村匠海との衝突シーンも話題に

『ナイト・ドクター』は岸優太が中心の物語?

 第1話の終盤で、美月(波瑠)の忘れ物を受け取った桜庭(北村匠海)は、その中に自分がかつてドナーに宛てて書いた手紙を見つける。そして桜庭にフォーカスが当てられた第3話では、成瀬(田中圭)がひょんなことから美月の母親の心臓が桜庭に移植されていることを察知するのである。こうしたちょっぴり出来すぎているようにも思えるドラマチックな偶然は、深澤(岸優太)と妹の心美(原菜乃華)の間で生じた臓器提供の意思表示をめぐるやり取りが加えられることで物語上の必然へと変化する。

 8月30日に放送された『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)第9話で描かれたのは、これまでちょっとずつ描かれてきた“臓器提供”というテーマの延長線上にある物語だ。しかもこれは、前回までのエピソードで描かれた「働き方改革」をめぐる物語のなかで掲げられた、「選択肢を増やす」というアンサーにも通じている。医師も病人も、誰しもが誰かを救うことができるし、誰かの希望になることができる。ドラマが終盤へ向かう直前に提示されるこのメッセージは、本作において極めて重要なものに違いない。

 容態が急変した心美を心配し、しばらくの間ナイトドクターの仕事を休んで看病にあたることにした深澤。おせっかいな美月の提案でチーム全員揃ってお見舞いに訪れると、ちょうど深澤と心美は言い争いをしていた。それは心美が臓器提供ドナーの登録をしたいと、家族である深澤に同意のサインを求めたからだった。ドナー登録に猛反対し、病室を追い出されてしまう深澤。医局にやってきて桜庭に愚痴る深澤だったが、自身がレシピエントであることを隠している桜庭は、深澤の言葉に思わず激昂してしまうのだ。

 「日本臓器移植ネットワーク」のホームページによれば、現在日本国内で移植を待っている人の数は15097人。今年7月までに移植を受けた人数はわずか163人であり、例年300〜400人が臓器移植を受けているというのが現状である。日本初の心臓移植手術から30年が経った1997年に脳死後の臓器提供が可能になる「臓器移植法」が施行され、その後2010年に「改正臓器移植法」が施行。いずれも本人の意思(もしくは拒否の意思がない場合)と家族の承諾によって臓器提供が可能となり、本人の意思を示す手段として臓器提供意思表示カードはもちろんのこと、現在では保険証から免許証のような携行する機会の多い身分証に意思を記入する欄が用意されている。



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