『ハイヒロ』飛馬の“本当の姿”が明らかに? 美 少年 浮所飛貴が表現する心の闇

『ハイヒロ』浮所飛貴が表現する心の闇

 ついに、学園のカリスマ・飛馬(浮所飛貴)が動き出した『ザ・ハイスクール ヒーローズ』(テレビ朝日系)第5話。ヒール的存在だった彼が、徐々に見せていく“本当の姿”に、胸が締め付けられる展開となった。

 今話のポイントは、仲間や団結を人一倍大切にする「学園防衛部」のメンバーと、「そんなものは幻想だ」と突き放す飛馬の対比である。

 異常なほど1番に執着する飛馬は、学園のトップになるためならば、どんな苦労もいとわない。「横並びなどありえない。人間は、いつの時代も上か下か」と言う彼にとって、仲間など邪魔な存在でしかないのだ。

 その一方で、やっと5人全員が揃った「学園防衛部」は、徐々に団結を深めていく。それを許せない飛馬は、彼らを倒すため、まずは部長の大成(岩崎大昇)をおとしめることに。「学園防衛部長のクズすぎる凶行」という“ディープフェイク”(大成が、暴行を加えているように見える加工動画)を作成し、SNSで炎上させる。すると、それを見た警察が大成を連行してしまうのだ。

 仲間を奪われた「学園防衛部」のメンバーたちは、当然黙ってはいられない。学園の卒業生でもある『週刊文夏』のライター・金井(片岡信和)の力を借りながら、犯人を突き止めるため奮闘する。

 そんな4人の前に現れたのが、飛馬が扮する「黄金魔人」だ。あまりの強さに、「学園防衛部」のメンバーが、力を合わせても勝てるわけがない。だが、「大成を助けるために」と何度吹き飛ばされても立ち向かっていく。

 その姿を見て、飛馬は幾度となく「なぜ、仲間のためにここまでする?」「なぜ、助け合う?」と聞いていた。「仲間だからだ! 助け合うのに、1番も力も関係ない! ただ守りたいと思ったから、守る! それだけのことだ!」という言葉は彼の心に響いただろうか。

 飛馬は、力を持っているあまり“本物”の友情や“本物”の愛に飢えているようだった。いつも側にいてくれた榊兄弟が、実は権力に逆らえなかっただけ……と知った時も、内心は傷ついていたのだろう。

 きっと彼は人一倍仲間を求めているのだ。たとえ1番じゃなかったとしても、権力がなかったとしても、一緒にいてくれるような“本物”の仲間を。「誰も俺を助けてくれない……」と呟いた飛馬の姿からは、そんな孤独が感じられた。

 飛馬というキャラクターは、強さと弱さの両面を表現しなくてはならない。おそらく彼は「魔人」の鎧をまとった「ヒーロー」なのだ。だからこそ、学園長(柳葉敏郎)のような“悪い大人”の命令に、心のなかで必死に抵抗している。生粋のヒールだったら、苦しんだりしないはずだ。

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