平野紫耀と浜辺美波が初の教師役で名演! 『生徒が人生をやり直せる学校』に感動
8月21日、『24時間テレビ44 想い〜世界は、きっと変わる。』(日本テレビ系)内で放送されたSPドラマ『生徒が人生をやり直せる学校』。当初は違和感のあるタイトルだと思っていた。筆者の、“普通”の硬い頭で考えれば、生徒の人生は今そこから始まるようなもの。それを「やり直せる」とはどういう意味だろうか、と。
「子供に親は選べない。でも、貧困から抜け出す道は選べる」。答えは、物語後半で樹山(平野紫耀)が語ったこの言葉に凝縮されている。未来への希望など持てる環境になかった生徒たちが、自分の人生を歩み始める場所。槙尾高校はたしかに「人生をやり直せる学校」だった。
「今日もよく来てくれた。願わくば、明日も来てほしい」。吉岡校長(國村隼)の願いはただひとつだ。体育館にバイクで乗り入れた木の葉(道枝駿佑)に対し、「それはダメだ」と一喝する教頭の原田(伊藤英明)も、次の瞬間には「おはよう。よく来てくれた」と微笑む。
「困った生徒は、本当は困っている生徒」ーー教師たちは、虐待、貧困、空腹と、さまざまな事情を抱える生徒たちを守り、その存在を認め、支援する“チーム”だ。北村有起哉、井之脇海、横内亜弓ら、味のある役者が揃った。
おそらく槙尾高の生徒たちとはバックグラウンドが異なる岡部(浜辺美波)。真面目に、一生懸命に取り組みながらも、その言動にはどこか「ズレ」がある。浜辺は、清廉潔白な岡部を繊細に表現していた。
印象的だったのは、やはりバスケットボール部の試合のシーン。母校であり、赴任を希望していた高校との試合に当初は複雑な表情を浮かべる岡部だったが、槙尾高の生徒たちの健闘を見つめているうち、その手に力がこもり、瞳が潤む。ついには堪えきれず立ち上がり、誰よりも大きな声援を送っていた。槙尾高の生徒を「かっこいい」「誇りに思う」と胸を張る岡部。彼女が“槙尾高の教師”になった瞬間だった。