世界初のナワポン・タムロンラタナリット監督特集が実現 第43回PFF全ラインナップ発表
9月11日から東京・国立映画アーカイブにて開催される「第43回ぴあフィルムフェスティバル」の全ラインナップが発表された。
ぴあフィルムフェスティバルは、「新しい才能の発見と育成」「映画の新しい環境づくり」をテーマに開催されている映画祭。本年も新型コロナウイルスの感染予防に配慮しながら、9月11日より開催される。
今回、世界初の「ナワポン・タムロンラタナリット監督特集」が実現。ナワポン・タムロンラタナリット監督は、デビュー10年で、7本の長編映画を発表しているタイの映像作家。軽やかな映画づくりでひと際輝く存在であり、その、独自の映画手法に国内外からの注目が集まっている。
長編デビュー作『36のシーン』で釜山国際映画祭ニューカレンツアワードを受賞、続く2作目『マリー・イズ・ハッピー』はヴェネチア国際映画祭に出品、4作目『フリーランス』はタイ・アカデミー賞で8部門を受賞。昨年、日本でも劇場公開された『ハッピー・オールド・イヤー』も記憶に新しい37歳だ。タムロンラタナリット監督からはPFFの特集上映に際し、メッセージが寄せられている。
一昨年からスタートした「ブラック&ブラック~映画と音楽~」では、ナビゲーターのピーター・バラカンが作品を選定し、上映前にトークが行われる。今年の上映作品は、南アフリカの歌姫ミリアム・マケバと、ファンクの帝王ジェームス・ブラウンに関するドキュメンタリー2本。『ミカ・カウリスマキ/ママ・アフリカ ミリアム・マケバ』と『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』を上映する。
また、スペインの映画祭「フィルマドリッド」で喝采を浴びたPFFアワード 2019グランプリ受賞作『おばけ』が特別上映される。
さらに、「PFFスペシャル映画講座」と題した特集を実施。廣原暁、諏訪敦彦、藤元明緒、渡邉一孝、横山百合子、石井岳龍、長嶌寛幸、松井茂の8人の講師陣が、様々な角度から映画と時代と人に迫る。
そのほか、すでに発表されている特集企画・上映作品として、「森田芳光70祭~伝えたい、モリタを~」「第27回PFFスカラシップ作品 『裸足で鳴らしてみせろ』完成披露上映」「熊坂出監督最新作 『プリテンダーズ』」「コンペティション部門『PFF アワード 2021』」の実施が決定している。
映画祭チケットは、8月28日午前10時よりチケットぴあにて発売される。
ピーター・バラカン コメント
●『ミカ・カウリスマキ/ママ・アフリカ ミリアム・マケバ』
欧米では「パタ・パタ」や「クリック・ソング」で知られるミリアム・マケバは故郷の南アフリカを離れた長い亡命生活でアパルトヘイトと闘い続けた活動家の面を持ちながら、アフリカの音楽との最初の接点を作った歌手としても有名でした。彼女の音楽と人生についての記録です。
●『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』
芸術はまさに爆発です。多くの矛盾をはらんだソウル・ミュージックの最重要人物、ファンクというジャンルの原形を作り、音楽界に革命を起こした男の人生を極貧の幼少期から、かなり珍しい映像と共に描いた貴重なドキュメンタリーです。
映画祭「第42回ぴあフィルムフェスティバル」開催概要
9月11日(土)から9月25日(土)まで ※月曜休館
8月28日(土)10:00よりチケットぴあにて発売開始
会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋 3-7-6)
公式サイト:https://pff.jp
【(1)ナワポン・タムロンラタナリット監督特集 上映作品】
『ハッピー・オールド・イヤー』
『BNK48: Girls Don't Cry』
『ダイ・トゥモロー』
『フリーランス』
『あの店長』
『マリー・イズ・ハッピー』
『36のシーン』
「ハッピー・オールド・フィルムズ1」
「ハッピー・オールド・フィルムズ2」
【(2)ブラック&ブラック〜映画と音楽〜】
『ミカ・カウリスマキ/ママ・アフリカ ミリアム・マケバ』日本初上映
監督:ミカ・カウリスマキ
『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』
監督:アレックス・ギブニー
【(3)祝!フィルマドリッド 最高賞受賞記念上映 『おばけ』 】
『おばけ』
【(4)PFFスペシャル映画講座】
・「コロナ禍の卒業映画制作」
廣原暁(映画監督)×諏訪敦彦(映画監督)
上映作品『藝大の怪談』
・「越境するインディペンデント映画~"越境シネマLABO" はじめます~」
藤元明緒(映画監督)×渡邉一孝(映画プロデューサー)
上映作品『僕の帰る場所』、『海辺の彼女たち』
・「タイトルと内容のギャップに驚愕!加藤泰の傑作」
横山百合子(国立歴史民俗博物館 名誉教授)
上映作品『骨までしゃぶる』
・「安倍公房と勅使河原宏」
石井岳龍(映画監督)
上映作品『砂の女』
・「勅使河原宏の音と空間」
長嶌寛幸(音楽家)×松井茂(詩人)
上映作品『他人の顔』
【(5)森田芳光70祭~伝えたい、モリタを~】
『ときめきに死す』冨永昌敬
『メイン・テーマ』松居大悟
『それから』沖田修一
『39 -刑法第三十九条-』石川慶、向井康介
【(6)第27回PFFスカラシップ作品 完成披露】
『裸足で鳴らしてみせろ』
監督・脚本:工藤梨穂
【(7)熊坂出監督最新作 『プリテンダーズ』】
【(8)コンペティション部門 「PFFアワード 2021」】
489本の応募作品の中から入選した15作品を紹介