アジア初のロイ・アンダーソン監督コンプリート特集も 第42回PFF全ラインナップ発表
9月12日から東京・国立映画アーカイブにて開催される「第42回ぴあフィルムフェスティバル」の全ラインナップが発表された。
ぴあフィルムフェスティバルは、「新しい才能の発見と育成」「映画の新しい環境づくり」をテーマに開催されている映画祭。本年は新型コロナウイルスの感染予防に配慮しながら、9月12日より開催される。
今回、アジア初の「ロイ・アンダーソン・コンプリート特集」が実現。27歳での初の長編映画『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』が国内外で称賛されるも、2作目『ギリアップ』以降CM制作に専念したアンダーソン監督。CM界の巨匠となり、自らの美学を詰め込んだスタジオを拠点に、2000年に復活を果たし、『散歩する惑星』でカンヌ映画祭審査員特別賞を受賞。続く『愛おしき隣人』は同映画祭ある視点部門に出品。『さよなら、人類』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞に輝き、「リビング・トリロジー(人間についての3部作)」を完結。
本特集では、これら長編作品に加え、昨年、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した11月公開の最新作『ホモ・サピエンスの涙』の特別上映や、「リビング・トリロジー」のプレリュードと言われる『ワールド・オブ・グローリー』を含む短編プログラムの日本初上映が行われる。
また、WOWOWの「連続ドラマW」より、PFFに縁の深い犬童一心監督の『夢を与える』、瀬々敬久監督の『悪党~加害者追跡調査~』の2作品をスクリーンで上映。全話一気上映のあとにはトークも行うという、映画祭ならではのプログラムとなる。
昨年からスタートした「ブラック&ブラック~映画と音楽~」では、ナビゲーターのピーター・バラカンが作品を選定し、上映前にトークが行われる。今年の上映作品は、「ザイールʼ74」コンサートを甦らせた『ソウル・パワー』に決まった。
コンペティション部門 「PFFアワード2020」では、 480本の応募作品の中から入選した17作品を紹介。本入選作品は、映画祭で2回ずつ上映され、9月25日に行われる表彰式にて、最終審査員らによりグランプリほか各賞が発表される。
また、オープニング作品として石井裕也監督作『生きちゃった』の上映、第25回PFFスカラシップ作品『猫と塩、または砂糖』も上映される。
ピーター・バラカン コメント
1974年、当時のザイールで行われたムハマッド・アリの復帰試合に合わせた形の音楽祭の模様を映像に収めたものの、35年も公開されないままになっていました。ようやく2010年に見られたその姿は当時の最先端のブラック・ミュージックを見事に記録していたことに改めて感激したものです。
■開催情報
映画祭「第42回ぴあフィルムフェスティバル」開催概要
9月12日(土)から26日(土)まで※月曜休館
8月15日(土)よりチケットぴあにて発売開始
会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋 3-7-6)
公式サイト:https://pff.jp
【ロイ・アンダーソン監督特集 ~素敵なにんげんたち~ 上映作品】
『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』※35mmフィルム上映
『ギリアップ』※日本初上映
『散歩する惑星』※35mmフィルム上映
『愛おしき隣人』※35mmフィルム上映
『さよなら、人類』
『ホモ・サピエンスの涙』※特別上映
短編プログラム(初期短編5本)※日本初上映
【WOWOW 連続ドラマWをスクリーンで】
『夢を与える』
監督:犬童一心
出演:小松菜奈、菊地凛子、新田真剣佑、オダギリジョー
2015年/日本/カラー/約50分×4話
『悪党~加害者追跡調査~』
監督:瀬々敬久
出演:東出昌大、松重 豊、新川優愛、板谷由夏
2019年/日本/カラー/約50分×6話
(c)2019 WOWOW INC.
【ブラック&ブラック〜映画と音楽〜】
『ソウル・パワー』※35mmフィルム上映
監督:ジェフリー・レヴィ=ヒント
出演:ジェームス・ブラウン、ビル・ウィザース、B.B.キング、ザ・スピナーズ、モハメド・アリ
2008年/アメリカ/カラー/93分
【オープニング】
『生きちゃった』
脚本・監督・プロデューサー:石井裕也
出演:仲野太賀、大島優子、若葉竜也
(c)B2B, A LOVE SUPREME & COPYRIGHT @HEAVEN PICTURES All Rights Reserved
【第25回PFFスカラシップ作品 完成披露】
『猫と塩、または砂糖』
監督・脚本:小松孝
出演:田村健太郎、宮崎美子、吉田凜音、池田成志、諏訪太朗
(c)PFF パートナーズ=ぴあ、ホリプロ、日活/一般社団法人 PFF
【コンペティション部門 「PFFアワード 2020」】
480本の応募作品の中から入選した17作品を紹介