『おかえりモネ』百音と菅波の関係はどう変化? 過去朝ドラの“初恋”から検証

『おかえりモネ』百音と菅波の関係どう変化?

 ちなみに、『おかえりモネ』で理想の上司・朝岡覚を演じる西島秀俊が父親役で、ヒロインの初恋の相手、星野武蔵を坂口健太郎が演じた『とと姉ちゃん』も、主人公の常子(高畑充希)の初恋は実らなかった。植物学者を目指していたピュアな青年、星野は常子を癒す存在だったが、幼い頃に他界した父との約束を果たすため、家族と離れられない常子は星野のプロポーズを断ってしまう。父親代わりの長女として家族を守るために奮闘し、自分で出版社を作るという強い意志を持つ常子と星野は人生のパートナーとなることができなかった。

 果たして、百音と菅波の関係はこの先、どう変化していくのだろうか。百音は念願の気象予報士として一歩を踏み出したばかり。やっと新人としての壁にぶつかったばかりで、菅波は悩む百音と一緒に考えてくれる得難い人物。物語が現代の今、2021年に向かって進んでいるとすれば、今後2人の関係は未来に向かって熟していくところ。百音が難関の試験を突破できたのは菅波が勉強を教えてくれたからで、菅波もまた百音と接していくうちに不器用ながらも少しずつ、繊細な変化を見せている。

 初恋とは淡いもの、というイメージがあるが、この2人の恋は淡い色を少しずつ重ねていくように描かれている。つまり、今後どんな深い色合いになるか、濃い独特の色味が出るのか楽しみがあるということだ。最初の出会いから予想もつかない色彩のグラデーションを見せてくれるのか。機が熟すのを見逃さないように待っているのがよいのかもしれない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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