『悪魔とラブソング』浅川梨奈×飯島寛騎が語り合う、恋愛の先にある理想の関係性
集英社の少女マンガ誌『マーガレット』とオンライン動画配信サービスHuluがタッグを組み、マーガレット作品を継続的に実写ドラマ化するシリーズ『マーガレット Love Stories』では、桜井日奈子×神尾楓珠W主演のHuluオリジナル『マイルノビッチ』に続き、第2弾としてHuluオリジナル『悪魔とラブソング』が一挙独占配信中だ。
誰にもこびず、凛とした強さがある一方、真っ直ぐすぎる性格がゆえ“悪魔みたいな人”と呼ばれる主人公・可愛マリアと、ピアノにコンプレックスを抱える、一見クールに見えるが困っている人を放っておけない“巻き込まれ男子“・目黒伸。転校を機にマリアが理解者を見つけながら、自分を偽り他人に合わせて生きてきた同級生たちを変え、絆を作っていく物語。
今回、W主演を務めた、マリア役の浅川梨奈と目黒役の飯島寛騎にインタビュー。本作での役作りや、主人公たちと同じ高校時代と現在の恋愛観の違いについて赤裸々に語ってもらった。(編集部)【インタビューの最後には、コメント動画あり】
「高校生の成長ってすごい」
――高校生たちの様々な感情がうごめく作品です。演じられたご感想は?
浅川梨奈(以下、浅川):率直に言うと、「難しかったな」っていうのが一番です。マリアは、伝える言葉が的を射ていたり、どストレートに正論とかキツいことを言ってしまうんですけど、「嫌な子だな」とは思われたくなくて。小学生のような無邪気さがゆえに、思ったことを何でも口に出してしまうし、知らぬ間に人を傷つけてしまう、ということを常に頭の中に持ちながら演じていました。そのため、原作よりもマリアのかわいらしい部分とか、お茶目な部分を多めに入れようと意識してやっていたんですけど、その塩梅が難しかったですね。監督が「今のはちょっと怖いよ」とか「ここは今の言い方だとキツすぎるかな」とか、その都度声をかけてくれたので、少しずつ作り上げていくことができました。
――飯島さんはいかがですか?
飯島寛騎(以下、飯島):「高校生の成長ってすごいな」と思いました……小学生みたいな意見ですけど(苦笑)。僕はもう20代になりましたが、高校生の頃はやっぱりわからなかったんですよね、何をしていいのか。でも、ドラマではマリアがまっすぐ言葉を伝えるからこそ、周りにいる人間がマリアを助けようとする。動くか動かないかは自分次第だけど、そうやって人は成長していくんだなと思ったし、10代の成長スピードって美しいなと思いました。それはマリアだけじゃなく、各話ごとにフォーカスされていく登場人物も同じで。僕が演じる目黒も、最初はすごく不器用でリアクションがなかったり、言葉もちょっと冷たかったりするけど、マリアが現れたことによって、自分との葛藤が始まるんです。そのあたりをすごく繊細に演じなきゃいけなかったので、壁を越えるのは正直難しかったです。
――演じる上で難しかったのは、気持ちの動かし方?
飯島:そうですね。わかりやすくもできなくて、本当に徐々に徐々に出していく感じでした。キャラクター的に大きなリアクションをしないので、そこはすごく考えながら。現場の段取りをやってみて、実際に芝居をしたときに感じたことを、自分に落とし込んで演じるようにしました。
――浅川さん演じるマリアは、しゃべり方も独特ですよね。
浅川:そうなんです。ふだんとは違うしゃべり方ですし、表情も揺らがない。なので、台本を読んでから、それを自分の中で消化するまでには時間がかかりました。
――消化できてからは、順調に?
浅川:監督から、「なんか急に表情が変わったね。どうしたの?」と言われたことがあったんです。それは現場の空気にも慣れて、マリアとしてもちょっとずつみんなに心を開いていく段階だったので、自分の中でずっと背負っていた何かが降りた瞬間でもあったのかなと。そういうところで、私自身もマリアと一緒に成長した感じはありました。
――思い入れのある作品になったかと思いますが、中でもお気に入りのシーンを教えてください。
浅川:全部なんですけど、やっぱり個人的には、合唱コンクールのシーンかな。
飯島:うん、そうなるよね。
浅川:自分で演じていても涙が出そうになりましたし、映像を観ても、やっぱりいいシーンだなと思いました。この作品において、合唱コンクールは大きなテーマなので、その過程で何があったのかは、特に見逃さないで観てほしいです。それぞれの登場人物の表情も、いろいろと繋がってきたりするので、そこまで注目してもらえたら嬉しいですね。
――ドラマの撮影と同時に、合唱コンクールに向けて動いているような感覚になりそうですね。
浅川:休憩中も、ボイトレの先生とマスクをつけて練習していました。マスクをつけて歌うのはすごく難しいんですけど、その中でもみんなが一生懸命がんばって一つになっていく姿は、この作品そのまんまでしたね。「あぁ、いいなぁ」と思いながら、私も練習に参加していました。
飯島:もちろん、合唱コンクールは見どころだと思います。それ以外で言うと、僕は何気ない校庭でのお昼ご飯のシーンが好きですね。普通の高校生の日常を画で撮っている感じで、そこでいろんなことを打ち明けたりするんです。キャラクターが悩んでいる表情も結構そこで出ているので、意外と見落としがちかもしれないけど、僕はすごく好きなシーンです。