『レンアイ漫画家』が目指したのは“キュン”の先にあるもの スタッフ陣が語る製作背景

スタッフが語る、『レンアイ漫画家』の個性

 『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)で、残り2話にしてようやく正式に気持ちが通じ合った、清一郎(鈴木亮平)とあいこ(吉岡里帆)。しかし、第10話で描かれたのは、付き合いたてのラブラブカップルから一転、別れを選択する2人の姿だった。

 “恋愛ドラマ無双状態”と言われていた2021年4月クールドラマ。それぞれの作品でいろんな形の愛が生まれてきたが、清一郎とあいこの2人はどんな結末を迎えるのだろうか。

 2021年1月クールの同枠で放送された『知ってるワイフ』に続いてラブストーリーを意識したドラマ編成を行っているという木曜劇場。本作が目指した恋愛ドラマについて、編成企画の佐藤未郷氏(フジテレビ編成部)、プロデュースを務める小林宙氏(共同テレビ)に、クライマックス直前のタイミングで話を聞いた。(編集部)

描きたかったのは“キュン”の先にあるもの

――なぜ今、王道ラブコメを制作しようと思われたのでしょうか?

佐藤未郷(以下、佐藤): 「木曜劇場のメインターゲットとして女性に観てもらいたい」という方針があり、ラブストーリーをやるのはありなんじゃないかと。『知ってるワイフ』が夫婦の話だったので、今回は、出会って恋をして、それが運命の相手で……というラブストーリーを探していました。コロナ禍が続くことが予想されていたので、とにかく明るく、楽しいドラマをお届けしたいという思いから、愛とコメディ満載のラブコメを作れたら、と。いくつかアイデアがある中で、各キャラクターが面白くて、疑似家族の話でもある『レンアイ漫画家』なら、ユニークなラブストーリーができるのではと思いました。

小林宙(以下、小林):僕には、感覚として「これは王道なのかな」という疑問があるんです。個人的に、若い女の子と男の子がやるような、いわゆる王道のラブコメというものがピンとこなくて。たとえば『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)みたいに、ちょっと設定が特殊な恋愛ドラマのほうが好きなので、自分がやるときにも、そういった作品を作りたいと思っていました。今回は、漫画家とフリーターっていう少し特殊な設定、そして1話完結の要素が強く、それでいてラブストーリーになるようなことができたらいいなと思っていました。なので、これは王道なのかどうか……。

佐藤:それはそうですね。たとえば、女の子が“キラキラの世界観で憧れの王子様に見初められる”みたいなシンデレラ的なものを王道のひとつとすると、今回は“その先”の話。だから、王道に見えて王道じゃない、というのはあるかもれません。中盤まで観ないとわかりづらいですが、「キュンの先にあるものってなんだろう」ということをひとつのテーマにもしています。喧嘩しながら次第に惹かれ合って、紆余曲折あって…、というのは別の意味で王道ラブコメとも言えますが……。

――原作では久遠あいこがストーリーテラーとして描かれていますが、ドラマでは刈部清一郎(原作の刈部清美)が主人公です。

佐藤:今回はチャレンジングなことをしていて、全11話の中で構成が3つに分かれています。最初はあいこ目線で疑似恋愛編が始まるのですが、よくわからない変人・清一郎に翻弄されながらミッションをこなすあいこと同じスピードで、視聴者も徐々に清一郎のことを知っていく。そして、あいこのお姉さん(緒方るりこ/観月ありさ)が出てきたあたりから、清一郎とあいこ、2人の恋愛が軸になる。さらに後半になると、はじめは見えなかった清一郎の感情がぐっと見えてきて、モノローグも清一郎メインに変えています。あいこも視聴者も徐々に清一郎を思いやるようになっていく、その課程を丁寧に積み上げていくことができたら、と。

――では、ドラマを作る上で原作を大切にした部分、また新たに加えたドラマならではのエッセンスについても教えてください。

小林:原作を読むと、実は意外とラブストーリーっぽくないんです。でも、ラブストーリーの種はたくさん散りばめられていたので、そこを大切に育てていきたいなと思っていました。清一郎とあいこの関係性は変わらないけど、原作よりもラブストーリーになっていると思います。この作品を作る上で、僕が一番意識したのは、“漫画家の話であることを忘れちゃいけない”ということ。そして、それは清一郎のキャラクターにかかっていると思っていました。清一郎がただの変人に見えてしまっては、おもしろくない。そのためにも、何かあったら必ず漫画に帰る“漫画家”として描くことを意識していました。

佐藤:種ということでは、原作にある“覆面作家”という部分から広げたのが “偽装や仮面”というモチーフですね。あいこの七変化や、清一郎が(漫画に出てくるキャラ)“サカイ”になるとか、それはこのドラマならではの部分。そのあたりはドラマ全編を通してあえて作った部分ではあるかなと思います。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる