平手友梨奈が演技で新境地 『ドラゴン桜』長澤まさみが伝授する“タイプ別勉強法”
夏は受験生にとって勝負の季節。しかし、ただがむしゃらに頑張ってもあまり意味はない。現在の実力を知り、足りない部分を伸ばすことが大切だ。『ドラゴン桜』(TBS系)第8話では、難関に挑む生徒たちの現在地が描かれた(以下の記事では、ドラマ本編の内容に関する記述を含みます)。
「特別講師はお前らだ」。安田顕やゆりやんレトリィバァら個性豊かな講師陣は今回はお休み。詰め込んできた知識を教え合うことで理解を深め、同時に夏休みを利用して勉強する習慣を身に付けるのが狙いだ。「手取り足取り教えてやるのはここまでだ。そろそろ自立してもらわないとな」。言い方は相変わらずだが、桜木(阿部寛)の指導には合理的な裏付けがある。
具体的な学習については、直美(長澤まさみ)直伝のタイプ別勉強法が参考になる。本を同時並行で読む「拡散型」はワクワクすることが重要で、勉強内容は気分で決めてよい。1冊ずつ読み終える「保全型」は自信の積み重ねが大事で、勉強時間やノルマを決めて達成感を得るのがコツだ。自分がどちらに近いか知ることで効果的な学習が可能になる。
7人それぞれにスポットライトが当たったところで、思い起こすのは楓(平手友梨奈)の家庭事情だ。楓は東大受験を決意し、着実に実力を伸ばしてきたが、両親に東大専科のことを話していなかった。第2話で登場した元バドミントン選手の父・岩崎明人(駿河太郎)と母・裕子(馬渕英里何)は、楓が幼い時からバドミントンの英才教育を行ってきた。
明人たちの骨折りで、楓は実業団の日本ユニシス・バドミントン部の練習に参加することが決まる。ちなみに日本ユニシスは実在するチームで、オリンピック金メダリストを含むトップ選手を多数輩出する名門だ。練習三昧で疲労した体に鞭打って勉強する楓。結果的に模試の成績は振るわず、東大との距離は開いていく。心配する専科の生徒に桜木は「岩崎の問題だ」と言って釘をさす。
楓の両親は娘がバドミントンで活躍することを心から願っている。だからこそ、明人たちはあえて心を鬼にして楓のために厳しい態度を取ってきた。それがわかっているので楓も親を失望させたくないと思って悩む。東大か、それともバドミントンか。結論を出せない楓を、桜木は「自分と向き合わない奴は敗者にしかならない」と言って切り捨てる。楓は自分の本心に気付き、明人たちに率直な気持ちを伝える。
「親ってのは化け物だ。誰よりも長く強くお前のことを思ってる。そいつに理解させるには、親子の縁を切るぐらいの覚悟が必要なんじゃないのか」。ここで注意が必要なのは、桜木が楓に東大を受けろともバドミントンを諦めるなとも言っていないこと。ただ「責任の取れる選択をしろ」と言っている。娘のために全てを投げうってきた親の気持ちは本物で、それを理解できる楓は賢い。けれども親はいつかいなくなる。自分の人生を背負えるのは自分だけで、そうであるなら本心から悔いのない選択をしなければならない。