高畑充希「一人で背負わないように」 シングルマザー役で考えた“母”になること
母になったら「一人で背負わないようにしたい」
ーー息子のユウくんと同じ10歳のとき、高畑さん自身はどんな子どもでしたか?
高畑:小1、小2くらいまでは両親にべったりでしたが、中学年くらいになると、クラスメートのお友達と遊ぶ時間とか、そういう家族じゃないコミュニティ、外に自分の居場所が出来始めた時期だったと思います。当時、すごく変わっていってたというか、目まぐるしく成長していった気がしますね。着るものも、周りの子の真似をしたり、すごく宙ぶらりんな時期だったんじゃないかな。
ーー勇くんはお母さんに言えないことがある子どもでしたが、そういう子供心について、共感はできますか?
高畑:私は勇くんとは真逆で、何でも両親に話す子どもでした。それに対しては、「自分で解決しなさい」と言われていましたが、大人になってからのほうが、「これを言ったら必要以上に心配かけるな」とか、「言わないほうがいいな」ということが増えた気がします。だから、子どもながらにあんなに空気を読めちゃうとしんどいだろうなって。
ーーこの作品で母親を演じたことで、自分がこれから母親になったときへの考え方に変化はありますか?
高畑:加奈とはまた自分の性格が違うので、どうなんでしょうね。もし母親になることがあれば、子どもとどんな関係性を作るのか、想像がつかないです。でも、子育てはみんな本当に大変そうだから、加奈みたいに一人で背負わないようにしたいなとは思います。加奈は本当にえらいけど、大変そうだなって思うから。
ーー実際に加奈がいたら、どのように声をかけますか?
高畑:加奈みたいなタイプは、「助けるよ」って言われても、助けて貰いたくない人だと思うんです。加奈は一人で頑張ることが正解と思ってる気がするし、頼るのが得意じゃない人だなと。本当に大変そうなときにさっと手を出せるように、私はそばでなんとなく見守ると思います。
ーーこの作品は高畑さんにとってどんなものになりましたか?
高畑:今回、菅野さんと尾野さんと一緒に同じ作品に収めていただけたのはすごく嬉しかったです。映画の現場に浸かって消耗する感覚は久々で。それと、ここ1、2年で母親や人妻役が急に増えて、自分のキャリアや年齢が変わっていく時期なんだなと感じます。自分が変わるというか、そういう役の話をいただいたり、周りが変わっていく感じがして。また新しい人生が始まる感じがしています。
■公開情報
『明日の食卓』
全国公開中
出演:菅野美穂、高畑充希、尾野真千子、柴崎楓雅、外川燎、阿久津慶人、和田聰宏、大東駿介、山口紗弥加、山田真歩、水崎綾女、藤原季節、真行寺君枝、大島優子、渡辺真起子、菅田俊、烏丸せつこ、宇野祥平ほか
監督:瀬々敬久
脚本:小川智子
原作:椰月美智子『明日の食卓』(角川文庫刊)
主題歌:「Motherland」tokyo blue weeps
配給:KADOKAWA/WOWOW
製作幹事:WOWOW
(c)2021「明日の食卓」製作委員会
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/ashitanoshokutaku/
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