『おかえりモネ』内野聖陽の“父”としての言葉が響く 三生、未知らが背負う“十字架”の重み

『おかえりモネ』耕治の“父”としての言葉

 将来について悩み、揺れているのは百音(清原果耶)だけではない。前話で派手な家族喧嘩が勃発した一方、穏やかな翌日を迎えた永浦家。『おかえりモネ』(NHK総合)第19話では、永浦家に居候状態の三生(前田航基)が自分の進むべき道について考える。

 きっかけは百音の祖母・を偲ぶ盆船(ぼんぶね)奉納だった。盆船とは、お盆の終わりにご先祖さまの霊を乗せて再び黄泉の国に帰すために用意される船なのだが、“帰る”ことを決意したのはそれを執り行う父・秀水(千葉哲也)の背中を見た三生もそうだった。

 盆船奉納には三生と百音をはじめ、妹の未知(蒔田彩珠)、明日美(恒松祐里)や悠人(高田彪我)もやってくる。父が海に向かって読経する姿を難しそうな表情で見つめていた三生だが、儀式が行われる頃には仙台に帰るといって何も言わず皆の前から姿を消してしまった。

 明日美は「いいよあんなの、どうせ仙台で会えるし」と拗ねた様子でいたが、その一言を聞いて百音の表情は固まる。違う、百音にとって仙台はすぐに会えるような場所ではない。なんだかここでもまた、百音だけ周囲と少し乖離が発生していて、こんなふうにこれまでも「いなかったこと」がありとあらゆる場面で彼女の気持ちに影をさしてきたのかと思うとかわいそうだ。急いで三生を追った彼女が目にしたのは、自分の父・耕治(内野聖陽)に挨拶をする彼の姿。

 先週が「震災の記憶」がテーマだったとしたのなら、今週のテーマは「家族」。特に「父親と背負う十字架」だ。

 血の繋がっていない耕治と三生。三生は自分の本当の父親にまともに話すことができず、耕治が彼にとっての父親代わりとして人生を諭す。寺を継ぐかどうかはさておき、大学を出ると言った三生に対し耕治はこんなことを言う。

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