『おかえりモネ』前田航基、弟・前田旺志郎に続き朝ドラで躍動 百音の中学時代も明らかに

前田航基、『おかえりモネ』で躍動

 草陰から物音を立てて百音(清原果耶)の前に現れた三生(前田航基)の出で立ちは、短髪の金髪に、片耳に光るピアス、「PUNK」と書かれた派手なTシャツ……と坊主デビュー仕立てとは思えない格好だった。『おかえりモネ』(NHK総合)第13話は、百音の家に揃った同級生に妹の未知(蒔田彩珠)を加えた6人による賑やかな回となった。

 話題の中心は遅れて登場した三生である。雅代(竹下景子)の初盆で棚経にやってきた住職で父のヒデさん(千葉哲也)が話すには、大学が休みの間、知り合いの寺に修行に出すことにしたからこの夏は帰らないということだったが、真実は仏教系の大学がある仙台でバンド活動に夢中になっていた。いわゆる、大学デビューというやつである。

 創建1120年の寺の息子である三生は、同級生チームのムードメーカー。人一倍明るく、好奇心旺盛な人柄は、ギターを始めFコードが押さえられずに挫折というベッタベタなエピソードや仙台にいくつもあるライブハウスに足を運んでいるという話からもよく分かる(仙台に染め上げられるのは東北人のあるあるの一つ)。

 主観カメラで百音にかくまってもらいながら“メタルギア”状態で永浦家に潜入した三生だったが、部屋の外で立ち聞きしていた耕治(内野聖陽)によって全く隠れきれていないその姿が発見されてしまう。同じ年頃の子を持つ父としてヒデさんを思う耕治であったが、同時に僧侶としてお寺を継ぎたくないという三生の気持ちもよく分かる、ヤジロベエのような立場にいた。耕治も漁業の息子に生まれながら、地元の銀行に勤め、若い頃はジャズマンとしてトランペットを吹いていたからだ。「家業を継がなかったパイオニア」として、耕治は三生を全面的に支援することに決定。今の三生に耕治は大学の頃の自分を重ねるのだった。

 三生を演じる前田航基もまた、三生や耕治のように「やりたいこと」に悩んでいた一人だった。実の兄弟によるお笑いコンビ「まえだまえだ」(弟は『おちょやん』でも好演を見せた前田旺志郎)として名を馳せた前田は、4歳から芝居も始め、「自分が本当にしたいことは何なのかと考えた時期があった」と『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 おかえりモネ Part1』の中で語っている。結果、前田が選んだのは俳優の道。映画『奇跡』『任侠学園』、過去の朝ドラでは『てっぱん』、『平清盛』『おんな城主 直虎』といった大河にも出演している。これから進路に悩みながら人生の選択をする三生、そして前田の演技にも注目したい。

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