菅田将暉が明かす、『キャラクター』の根底にあるメッセージ 新場面写真も公開

菅田将暉が語る『キャラクター』の役作り

 6月11日公開の『キャラクター』の新場面写真が公開され、あわせて主演の菅田将暉が本作の役作りについて語ったコメントが到着した。

 本作は、『告白』『君の名は。』など実写からアニメーションまでヒット映画を企画してきた川村元気、『信長協奏曲』『約束のネバーランド』を手がけたプロデューサーの村瀬健、『20世紀少年』『MASTERキートン』をはじめ、浦沢直樹作品を数多く手掛けてきたストーリー共同制作者・長崎尚志が10年の歳月をかけて練り上げた、完全オリジナルストーリーで描くダークエンターテインメント。売れない漫画家が殺人犯の顔を見てしまい、その顔をキャラクター化して漫画を描いて売れてしまったらというアイデアを基軸に、登場人物(キャラクター)それぞれが幾重にも交錯する物語を描く。

 スケッチに向かった先で、一家殺人現場に遭遇し犯人を目撃してしまう主人公・山城圭吾役で菅田が主演を務める。そして山城と出会い運命を狂わす天才的な殺人鬼・両角を、本作が俳優デビューとなるSEKAI NO OWARIのボーカル・Fukaseが演じる。山城が描いた漫画と事件の関連性をいち早く気づき、その真相を探る刑事・清田俊介を小栗旬、清田の上司・真壁孝太を中村獅童、漫画家として鳴かず飛ばずの山城を陰で支える恋人・川瀬夏美を高畑充希が演じ、『帝一の國』『恋は雨上がりのように』の永井聡が監督を務める。

 公開された場面写真は、血のついた自身の手を菅田がこわばる表情で見つめるカットと、漫画の執筆に向き合う菅田のカット。

 昨年1度目の緊急事態宣言解除後、菅田自身最初の映画の撮影となり、コロナ禍では緊張感がある現場で、山城という漫画家を悩みながら演じたと話していた菅田。完成した作品を観た菅田は、「山城は、良くある映画の主人公っぽくない主人公。地味だし、自分から派手な動きをしない。だからこそ、そんな人物を中心にいろんな物事が目まぐるしく動いていく。自分が関わっていないシーンがとてつもなくカッコ良かったし、ワクワクしました」と振り返っている。

 また、「今回は、引き算の芝居に徹底しようと思ってやってたんですよ。漫画家として1個夢を諦めたあとの徒労感の中に生きていて、それでも自分が真摯に向き合えて表現できるのは漫画だけ、というキャラクターだったので」と山城を演じるにあたってのアプローチについて語った。

 撮影時、菅田は「アイデンティティが足りないことで悩む山城のように、“面白くいたい”、“より充実していたい”という欲が人間にはあるから、人に甘えられなく、どんどん孤独になっていく。観てくれた人の中にもそういうことを考える人がいっぱいいると思うので、そこが伝わればいいかなと思いました」と話していたが、「行き切れない人間は、劣等感があると思うんです。だからこそ山城のように、『自分にはそこがないんだな』と思っていた人間が行き切っちゃう瞬間、ドライな怖さというのが、山城を演じているなかであって。これは今までにないな、それがうまいこと伝わっていたらいいなというのが願いでしたね」と、根底にあるメッセージにも触れた。

 また、自分自身が発信者である時代において、あらゆる場面で“個性(キャラクター)”が求められるが、菅田は「人からつまらないって言われようと、生きてさえいればいいと思うんです」とコメントした。

■公開情報
『キャラクター』
6月11日(金)全国公開
出演:菅田将暉、Fukase(SEKAI NO OWARI)、小栗旬、高畑充希、中村獅童
原案・脚本:長崎尚志
監督:永井聡
配給:東宝
(c)2021映画「キャラクター」製作委員会
公式サイト:https://character-movie.jp/

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