マイキーは『東京リベンジャーズ』の“ヒロイン”? 熱さとミステリアスさ兼ねたカリスマ性

 2021年4月より放送されている話題のTVアニメ『東京リベンジャーズ』。原作は講談社『週刊少年マガジン』にて連載されている和久井健による同名漫画で、7月9日より公開される実写映画や8月より大阪・東京・神奈川にて上演される舞台に向けてアニメは原作ファンのみならず、未読の視聴者をも魅了している。

 26歳フリーターの主人公・花垣武道(タケミチ)が元恋人や仲間を救うために不良だった頃の中学時代にタイムリープし、関東最凶の組織「東京卍會」(東卍)で成り上がっていく……という“ヤンキー×タイムリープ”の異色の組み合わせはもちろんのこと、『クローズZERO』や『HiGH&LOW』シリーズのように屈強な男たちの熱い友情と闘いも大きな見どころとなっている本作。ただ単に喧嘩に強いだけでなく、人間性にも魅力があるキャラクターが数多く登場する。中でも屈指の人気キャラクターで、本作の要となるのが東卍の総長・マイキーこと佐野万次郎だ。

 中学2年生の頃に東卍所属の清水将貴(キヨマサ)率いる3年生に半殺しにされてから、謝り続け、自分の人生からも逃げてばかりだったタケミチ。そんな彼の分岐点となったのが、マイキーとドラケンこと龍宮寺堅との出会いだった。当初タケミチがドラケンを東卍の総長と勘違いしたように、マイキーに見た目的な強さはない。肩まで髪を伸ばしたマイキーはむしろ儚げな印象も与える美少年。しかし、タケミチが全く敵わなかったキヨマサや後に登場する、東卍と敵対する組織「愛美愛主」の総長・長内信高を蹴り一発で仕留めるほど、圧倒的な強さを誇るカリスマだ。どこか虚ろな目とミステリアスな雰囲気がゾッとするような美しさを醸し出しており、彼がたくさんの不良たちを従えているのも頷ける。

 一方で、信頼する仲間のことは絶対に裏切らない情の厚さも。アニメ第7話ではドラケンが命を落とす未来を変えるべく東卍と愛美愛主の抗争を止めようとするタケミチだったが、親友を襲った長内に復讐を果たしたい林田春樹(パーちん)の思いをマイキーは尊重。パーちんがボロボロになるまでただ見守り続け、最後に「オマエ負けてねぇよ」と声をかけた。パーちんが長内を刺し、警察が来る前にみんなが逃げゆく中、ただ一人長内を見捨てまいとその場に居続けようとしたのもマイキーだ。表向きはドライな性格だが、誰よりも仲間思いな熱い一面を秘めているところが彼の最大の魅力だろう。

 そんなマイキーに最も信頼を置かれているのがドラケン。彼の前でだけ見せる中学生らしい、わかがままで子供っぽい性格も人気キャラクターたる所以だ。天才的な強さとカリスマ性でトップに立ち続けるマイキーと、そんな彼を支え、“人を想う心を持て”と諭すドラケン。足りないところを補い合い、不良の時代をつくろうと志す2人の友情が何より痺れる。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アニメシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる