『東京リベンジャーズ』アニメも絶好調で人気爆発へ タケミチの奮闘に涙してしまう理由
4月より放送がスタートしたアニメ『東京リベンジャーズ』が絶好調だ。各配信サイトのランキングでは連日上位に位置し、原作コミックは全巻重版が決まり累計1500万部突破も間近だという。
空前のブームを巻き起こした『鬼滅の刃』、劇場版も控えている『呪術廻戦』とアニメ化によって人気が倍増している作品が続いてるが、『東京リベンジャーズ』もまた同様のレールに乗ったと言えるだろう。
アニメは第4話までの放送を終え、本作の重要な要素である“タイムリープ”の仕掛けが本格的に明らかになったところ。原作コミック2話分が約1話におさまり、原作を読んでいたとしても、思わず次の話を観たくなる非常にテンポのいい構成となっている。
主人公・花垣武道(タケミチ)は、自堕落な生活を過ごし何事にも熱くなれずに大人になってしまった26歳。ふとしたきっかけで12年前にタイムリープすることになり、中学時代の彼女・橘日向や、一緒に過ごした仲間たちを救うべく奮闘していくというのがおおまかなストーリーだ。
多かれ少なかれ、誰もが「あのときに戻れたら」「あのときもっと頑張っていれば」「もう一度やり直せたら」と思ったことはあるだろう。「あの頃の思い描いていた自分」になれる人のほうが少ない。本作の主人公・タケミチがそうだったように、年齢を重ねれば重ねれるほど、新たな一歩を踏み出す機会は失われていく。
現実はやり直すことはできない。だからこそ、タイムリープによってどんどん変わっていく、“リベンジ”していくタケミチの奮闘に、自分自身の幻影を重ねる大人たちが多いように思う。アニメでは意識的にか、印象的なタケミチの台詞が毎話ごとに必ずある。第2話の「過去でも現代でも俺が変わらなければ何も変わらない」、第3話の「もう二度と譲れないものがある」など、“大人”として失った時間を知っているタケミチだからこそ、その言葉が切実に響く。タケミチは大人の記憶をうまく使って敵を攻略するわけではない(生かされることはあるが)。むしろ、タケミチにあるのは誰よりも大きい後悔の念。とにかくがむしゃらに、失われた時間を取り戻すタケミチの姿に、大人世代こそ目頭が熱くならずにはいられないのだ。